千年愛
「そうだよ。
舞ちゃんの前の名前は亜里沙だったんだ。
でも…舞ちゃんが
俺を捨てたなんてことはないよ。
2年前、俺と君は結婚するはずだったんだ。
でもお互い…
一人息子で一人娘だったから…
親に反対されて…
君は俺に迷惑をかけたくなくて…
俺の前から姿を消したんだ。
だから…
舞ちゃんが俺を捨てたなんてのは嘘。
でも俺はどうしても君を忘れること…
できなかった。
それで日本中探し回って…
やっとここで君を見つけたんだ。」
「………」
舞ちゃんは何も言わなかった。
俺の言葉を一つ一つ噛み締めるように
聞いていた。