千年愛
そう言って俺はポケットから
今日買った指輪を出して、
舞ちゃんに見せた。
「俺と結婚して欲しい。」
「こんなアタシでいいの
…また…忘れちゃうもん。」
「いいさ…それでも。
そしたらまた…指輪買いに行くし…
またプロポーズするから。
指輪のコレクションができる位ね。
だから…死ぬまで傍にいて欲しい。」
「いさせてくれる」
「当たり前だろ。
俺達が結ばれるの…運命だったんだ。
昔から…。
それに明日は…
蓉子さんが二人の結婚式を
やってくれるって。
近くにチャペルがあるんだろ」
「うん。」
「そこでどうって。
…嬉しくない」
「ううん。」
しばらく舞ちゃんは何も言わずに…
俺があげた指輪を見つめていた。