千年愛
俺と蓉子さんが外に出て見ると、
100m程離れた民家が火事で…
真っ赤な炎と真っ黒な煙りが
夜空を染めていた。
近所の人達もみんな出て来ていた。
着替えた舞ちゃんも走って出て来た。
しかし…その家事の様子を見つめる
舞ちゃんの目はみるみるうちに
異常な程、大きく見開き…
涙でいっぱいになっていった。
「どうしたの」
その舞ちゃんの表情を見て、
蓉子さんは舞ちゃんの顔を
自分の胸の中に隠すように抱きしめて
「ダメ…見たらダメ…
大丈夫だから…ね」
と不可解なことを何度も繰り返した。
すると今度はわなわなと震え始め、
今まで聞いたこともない程大きな声で
「イヤ〜〜〜」
と叫び、蓉子さんを突き飛ばし
自分の部屋に駆け込んだ。