千年愛


今日、初めて使う。






部屋の中はテーブルスタンドだけで

薄暗かったが、居間の壁に飾っている

アタシが描いたレオの似顔絵は

その薄灯りに照らされ、

レオは微笑んでいたんだ。





レオに見守られながら、

グラスにシャンパンを注いだ。






シャンパンはトクトクと音をたて

グラスを満たすと、小さな泡が

グラスいっぱいに広がって

輝いて見えたよ。







そしてグラスを持ち

レオの似顔絵に話しかけた。





「今日で最後だけど…

レオのこれからの人生が

幸せでありますように…乾杯しよ。」






アタシはレオのグラスに

乾杯して一息に飲み干した。





< 236 / 276 >

この作品をシェア

pagetop