千年愛
今日、初めて使う。
部屋の中はテーブルスタンドだけで
薄暗かったが、居間の壁に飾っている
アタシが描いたレオの似顔絵は
その薄灯りに照らされ、
レオは微笑んでいたんだ。
レオに見守られながら、
グラスにシャンパンを注いだ。
シャンパンはトクトクと音をたて
グラスを満たすと、小さな泡が
グラスいっぱいに広がって
輝いて見えたよ。
そしてグラスを持ち
レオの似顔絵に話しかけた。
「今日で最後だけど…
レオのこれからの人生が
幸せでありますように…乾杯しよ。」
アタシはレオのグラスに
乾杯して一息に飲み干した。