千年愛


「順子ちゃんね遅かったとね。

なしもっと早よこんとねえ」





と言ってその老婆は抱きついて来た。

老婆のあまりの形相にアタシは怖くなり、

その老婆を突き飛ばすようにして

他の席へうつった。





「アタシ…順子さんじゃありません。」





と何度言っても諦めようとはしなかった。

何度も何度もそう言っては

アタシにしがみついてきた。





あまりの怖さから

アタシが泣き出しそうになっていると、

老婆の身内と思われる男性が来て、

彼女を無理矢理連れて行った。





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