千年愛
検査から三日後、アタシは朝食を済ませ、
不安を掻き消したくて、
いつも読んでいる文庫本を開いた。
栞をはさんだページを開き…
アタシは唖然となった。
ページは251p…。
しかしそれまでの内容とかじゃなく、
タイトルを見てもそれが何の本なのかも
忘れてしまっていた。
どんなに思い出そうとしても…
何も浮かんで来なかったの。
栞を持つ手が小刻みに震えた。
どうしちゃったの…アタシ…
昨日まで…読んでたよね
頭の中を色んな言葉がぐるぐると回っていた。