千年愛
電車、バス、タクシーを乗り継いで、
俺があの場所に着いた時には
もう陽が沈もうとしていた。
丘の上に建つ小屋を目指して
あの日と同じように坂を駆け登ると、
アーサは小屋の前の岩の上に座っていた。
レオが走る…
岩陰からレオの姿が見えると
亜里沙の目からは止め度もなく
涙が溢れ始めた。
「…レオ…やっぱり来てくれた…
レオ〜っ」
涙でレオが見えなくなるくらい…
涙が溢れていた。
亜里沙もすぐに岩から飛び降りて駆け出す。
駆けながら、それまでのことが
二人の中で…
出会ってから今までの
色んなことが駆け巡っていた。
二人とも腕が折れそうな程、手を振り
二人の運命に向かって走っていた。