千年愛
それで私達は逃げるように
裏口の職員用通用口からとび出した。
通用口を出ると二人手をつなぎ
玄関とは反対の方へ走る。
500m位走った所の小さなビルの
地下にカラオケボックスがあり、
そこにとにかく逃げ込んだ。
そのカラオケはかなり古く、
壁ははげかかっていて、
ミラーボールは傾き、マイクは
1本しか使えない酷さ。
でも薄暗い部屋は如何にも「逃亡者」
といった雰囲気を醸し出していた。
私にとってはそれでも楽しかった。
今までこんな青春らしいものなんて
なかったから…。
嫌がらせをされるのは嫌なことも
あったけど、彼と一緒にいれるだけで
心の隙間を埋められる気が
していたのも事実。
二人、息を切らせ、かいた汗を乾かして
一息ついた時、レオがゆっくりと
話し始めた。