千年愛
初めてレオの話を聞いて、
あの時のどこか寂しそうな目の意味が
分かった気がした。
「で…中学ん時は、かなりグレてて、
俺に近付いて来る女なら手当たり次第に
付き合って…。
とにかくその時は誰でもよかった。
最低な男だろ?
でも俺に近付いて来る女はみんな…
あんな奴らみたいなのばっかりで…
いい加減、嫌で…。
やけになったり人生を諦めたりしてた時…
アーサに逢って…アーサに一目ぼれした。
冷静になって考えると、
こんな俺が…?って思いもあったさ。
俺みたいに汚れきった奴が
好きになっていいような
女じゃないとも思った。
天使のように清らかな笑顔に…
それでいて…不思議とどこか
俺と同じ匂いがしたんだ。」
「アタシ…そんなに素敵な女じゃないよ。」
「それはアーサが自分で思ってることだろ?」
「うん…それはそうだけど。
でもね…アタシもレオさんと
同じように思ったよ。」
「レオでいいよ!さんづけはなし!」
「いいの?アタシが呼び捨てにして。
また…
あの娘たちに怒られるんじゃない?」
「構わねえって!
…でも俺と同じようにって?」
「レオさ…レオもね…
アタシと同じ匂いがしたの。
最初…見た時…
とっても悲しそうな目してた。
そのレオの目に吸い込まれそうな
気がしたの。アタシ…今まで…」