千年愛
葬儀


アーサとの想い出に想いを馳せていると「レオ…レオ!…今度は俺達の番だぜ!」と貢の声でいきなり現実に引き戻された。



辺りを見渡すと、すでに焼香が始まっていて、次は俺達の番になっていた。俺に続いて貢、彩花、いずみが焼香を澄ませた。


アーサのお父さんの前で軽く会釈をしたが、お父さんは流石に憔悴しきっているように見えた。


無理もなかった。


アーサが失踪する一月前に、奥さんに先立たれ、お父さん一人、取り残されたのだから…。


そんなことを考えながら席へ戻った。




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