千年愛
1時間後、式はつつがなく終わり、外に出た時はすでに一面…銀世界になっていた。貢が車をとりに行っている間、出口のそばに2つあった白いベンチに座り、煙草に火をつけようとしていた時だった。
アーサのお父さんに声をかけられたのは。
「レオ君…今日は来てくれてたんだね。亜里沙もきっと喜んでいるはずだよ。
しかしだね……今日限り…亜里沙のことは忘れて…鎌倉の家に戻った方がいい。
お父さんやお母さんも、きっとそれを待ち望んでおられるはずだから。
それに…君は最終的には真行司財閥を率いて行かなければならない立場なのだから。いいね、レオ君。亜里沙の書き置きにもあったようにな。
…それじゃ…いいね。」
そう言い残して、式場へと戻っていかれた。