千年愛
夕日が沈む頃、アーサは木の柵からぴょんと飛び下り、俺を上目使いで見つめ俺の頬に軽くキスすると、「ここに来てくれただけで…嬉しいから。ごめんね…。」
と言い残し走って帰ろうとしたのを俺は掴まえ
「待てよ!まだ俺との約束…果たしてないって言ってるだろ?」
「…約束って…?」
「アーサの似顔絵…描くこと」
と言い、アーサが立ち止まり、振り向こうとした、その時俺は駆け寄りアーサにキスした。
きつく…きつく抱き締め…そして俺が少し力を弱めるとアーサは涙で少しだけ腫れた目で俺の顔を見上げ、俺はそのままゆっくりと顔を寄せた。
俺達は、お互いを求め合うように唇を重ねた。
「俺は真行司を捨てる。っていうかさ、さっき親父からも勘当されたよ…俺にはアーサ以外…何にもなくなったけど…それでもいいか?」
アーサは俺の胸の中でただじっと俺の話を聞いていた。