魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない
3.4
召喚された第一王女が、どう見ても第一王女ではなく見知った魔女だった。
このことに内心では『おかしいですよね!』と盛大に突っ込みつつも、おくびにも出さず冷静に自己紹介を終えた。
(年の功なのか、あるいは長年魔王城で侍従長を務めてきて身に備わった技能なのか……)
問題なのは、魔王がひと目でその偽の第一王女のことを気に入ったことだ。
侍従長の目には、魔王がかつてないほど浮かれているように映る。
(これで替え玉だと知ったときにはどうなるのやら……)
不安がよぎったが、さっそく婚姻の儀式に臨もうとするふたりを笑顔で見送った。否、見送るしかなかった。
(いいんでしょうか……いや、どう考えてもいいはずがありませんが、臣下でしかない私では魔王様を引き止めることもできませんし……)
ふたりの姿が見えなくなった瞬間に、眉尻は限界まで下がった。
このことに内心では『おかしいですよね!』と盛大に突っ込みつつも、おくびにも出さず冷静に自己紹介を終えた。
(年の功なのか、あるいは長年魔王城で侍従長を務めてきて身に備わった技能なのか……)
問題なのは、魔王がひと目でその偽の第一王女のことを気に入ったことだ。
侍従長の目には、魔王がかつてないほど浮かれているように映る。
(これで替え玉だと知ったときにはどうなるのやら……)
不安がよぎったが、さっそく婚姻の儀式に臨もうとするふたりを笑顔で見送った。否、見送るしかなかった。
(いいんでしょうか……いや、どう考えてもいいはずがありませんが、臣下でしかない私では魔王様を引き止めることもできませんし……)
ふたりの姿が見えなくなった瞬間に、眉尻は限界まで下がった。