魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない

「なら、使い魔は? 私の使い魔になってくれる子を召喚して契約してもいい?」

「そうねえ。斑紋死病が収まったら、そうしてみる?」

「やったー!」

 イーダは両手を上げてよろこんだ。

「だけど、使い魔はたいしたことはしてくれないわよ? 気まぐれで、呼んでもなかなか来ないことだってあるし」

 肩をすくませたソフィーに、イーダは反論した。

「それでもいいの!」

 目標があってこそ、がんばれるというものだ。

「それに一体いつになったら斑紋死病が収まるのかも分からないし……」

「もう、いいんだって。とにかく私はそれを楽しみにがんばるの!」

「そうね、若い子には常に前向きにがんばってほしいわ。あら……そういえば、王宮に薬の配達に行った子たちはどうしてるのかしらね? そろそろ戻ってきてもいい頃のはずなんだけど……」

 ソフィーは言いながら、窓の外を覗いた。

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