魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない
1.2
約20年前、斑紋死病によってマルスドッテル王国の王都は崩壊した。
ソフィーはあのときのことを未だによく憶えていた。
王都の機能が麻痺してしまったせいで、斑紋死病とは無関係だったはずの地方にまでその影響は及んだ。
20年かかって、ようやく王国が立ち直った。
だというのに、その矢先にまた斑紋死病だ。
だから、ソフィーも24時間体制で薬を作ること自体は納得することができた。
けれど、何でもかんでも許容できるというわけではない。仕方ないと割り切れないこともあるのだった。
(製造した薬は、本来であればノールブルク領主の邸宅まで配達すればいいはずだったのに……)
そうすれば、王宮までは領主が届けてくれることになっていたのだ。
ソフィーはあのときのことを未だによく憶えていた。
王都の機能が麻痺してしまったせいで、斑紋死病とは無関係だったはずの地方にまでその影響は及んだ。
20年かかって、ようやく王国が立ち直った。
だというのに、その矢先にまた斑紋死病だ。
だから、ソフィーも24時間体制で薬を作ること自体は納得することができた。
けれど、何でもかんでも許容できるというわけではない。仕方ないと割り切れないこともあるのだった。
(製造した薬は、本来であればノールブルク領主の邸宅まで配達すればいいはずだったのに……)
そうすれば、王宮までは領主が届けてくれることになっていたのだ。