魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない

 カラスは魔王に一礼した。

「あっ、そっか。国王陛下から魔王様への依頼はラーシュが仲介したんですしたね」

「そうだけど……お母さんの友人がラーシュって名前だって、確か言ってたね」

「へへっ、この子のことです」

「ああ、なるほどねー。繋がったよ」

 魔王は頷きながら、なおもラーシュのことを見ていた。

(使い魔が珍しいのかな? ひょっとして魔王様も使い魔がほしいとか? でも、魔王様の傍にはいつも侍従長のラーシュさんがいるから、使い魔は必要ないと思うけどなー)

 ソフィーから採集用の瓶を首にかけられると、ラーシュはもう一礼して飛び立った。

 イーダは魔王を手招きをした。

「魔王様も一緒に保管庫に行きませんか? ついでに集落を案内します」

「あっ、行く行く」
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