魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない
5.2
目が覚めたとき、イーダはベッドの上で横向きになっていて、それはちょうど魔王の寝ている側だった。
まぶたを半分上げると、ぼんやりとした視界でも魔王もまたイーダのことを見ているのが見えた。
「おはよう」
「……おはようございます」
寝起きのだらしない顔を魔王に見られるのは恥ずかしかった。
掛け布団を顔がすっぽり隠れるまで引っ張り上げて、目やにが付いていないかチェックし、髪を手ぐしで梳いた。
「よく眠れたみたいだね」
「はい。昨日は疲れてたんで、ぐっすり寝ちゃいました」
「ベッドで横になったらすぐだったね。気絶してるみたいに寝てたよ。眠れないようだったら魔法をかけてあげようかと思ってたんだけど、そんな心配は要らなかった」
(それって、私の寝姿を見たってこと!? きゃー、魔王様より先に寝ちゃうなんて!)
乙女にあるまじき失態だ。
まぶたを半分上げると、ぼんやりとした視界でも魔王もまたイーダのことを見ているのが見えた。
「おはよう」
「……おはようございます」
寝起きのだらしない顔を魔王に見られるのは恥ずかしかった。
掛け布団を顔がすっぽり隠れるまで引っ張り上げて、目やにが付いていないかチェックし、髪を手ぐしで梳いた。
「よく眠れたみたいだね」
「はい。昨日は疲れてたんで、ぐっすり寝ちゃいました」
「ベッドで横になったらすぐだったね。気絶してるみたいに寝てたよ。眠れないようだったら魔法をかけてあげようかと思ってたんだけど、そんな心配は要らなかった」
(それって、私の寝姿を見たってこと!? きゃー、魔王様より先に寝ちゃうなんて!)
乙女にあるまじき失態だ。