魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない
5.5
魔法も使ってとにかく急いだせいで、王宮にたどり着いたときには、ラーシュはヘロヘロになっていた。
それでも辺りはすっかり暗くなっていた。
警備をする者を除けば、ひと気も少ない。王宮そのものがゆっくりと眠りにつこうとしているような印象を受ける。
(す、少し休憩を……)
前方にはちょうどよさそうな大きな木が立っていた。
そこで、陰になっている太い枝を選んで止まることにした。
わざわざその枝を選んだのは休憩に最適だったというのも当然あるが、それだけではなかった。
その枝から正面に見える部屋に、国王の気配が感じられたからだった。
魔王とイーダはいないようだが、まずは国王からでいいだろう。
(第一王女もいるようですね……)
イーダからの説明では、第一王女が斑紋死病で臥せっているためにイーダが身代わりになったはずだ。
しかし、気色ばんだ顔は健康そのものといった印象を受ける。
(魔王様の特効薬がさっそく効いたのでしょうか……)
それでも辺りはすっかり暗くなっていた。
警備をする者を除けば、ひと気も少ない。王宮そのものがゆっくりと眠りにつこうとしているような印象を受ける。
(す、少し休憩を……)
前方にはちょうどよさそうな大きな木が立っていた。
そこで、陰になっている太い枝を選んで止まることにした。
わざわざその枝を選んだのは休憩に最適だったというのも当然あるが、それだけではなかった。
その枝から正面に見える部屋に、国王の気配が感じられたからだった。
魔王とイーダはいないようだが、まずは国王からでいいだろう。
(第一王女もいるようですね……)
イーダからの説明では、第一王女が斑紋死病で臥せっているためにイーダが身代わりになったはずだ。
しかし、気色ばんだ顔は健康そのものといった印象を受ける。
(魔王様の特効薬がさっそく効いたのでしょうか……)