魔女ごときが魔王様をダマせるはずがない
6.4
「魔王様! ……あっ、この部屋……」
イーダは召喚された場所を見渡した。
知っている部屋だった。
(忘れもしない……)
いい思い出はない、あの儀式の間だった。
「どうしてここに?」
「えーっ、『どうして』って本気で聞いてる?」
魔王が大袈裟にショックを受けてみせる。
「まさかすぐに婚姻の儀式をするために?」
「そうだよ!」
「魔王様、せっかちすぎません?」
イーダは笑ってしまった。
「ち、違うよ! ここでずっと待ち構えてたわけじゃないんだ。君が僕を呼ぶ声が聞こえてから、ここに転移すると同時に君を召喚しただけで、」
イーダは魔王の胸に飛び込んだ。
「マティアス様、私の名前はイーダです」
「イーダ! やっと知ることができた! って、まだ魔法陣も出してないのに、イーダのほうこそせっかちだ」
魔王も笑いながら、イーダを抱きとめてくれた。
イーダは召喚された場所を見渡した。
知っている部屋だった。
(忘れもしない……)
いい思い出はない、あの儀式の間だった。
「どうしてここに?」
「えーっ、『どうして』って本気で聞いてる?」
魔王が大袈裟にショックを受けてみせる。
「まさかすぐに婚姻の儀式をするために?」
「そうだよ!」
「魔王様、せっかちすぎません?」
イーダは笑ってしまった。
「ち、違うよ! ここでずっと待ち構えてたわけじゃないんだ。君が僕を呼ぶ声が聞こえてから、ここに転移すると同時に君を召喚しただけで、」
イーダは魔王の胸に飛び込んだ。
「マティアス様、私の名前はイーダです」
「イーダ! やっと知ることができた! って、まだ魔法陣も出してないのに、イーダのほうこそせっかちだ」
魔王も笑いながら、イーダを抱きとめてくれた。