好きって言わなくても分かるでしょ
第16話 友達には嘘をつけない
青空を飛行機が飛んでいる。
教室の中、梨花が席につくと
恵麻と美貴がジロジロと
梨花の顔を見つめる。
「梨花ぁ、昨日、
朔斗くんと一緒だったでしょう!?」
おはようもなしに急に本題に入る。
「恵麻、おはよう。
何、どうしたの。
急に。
なんでそうなるの?
具合悪いって先生言ってなかった?」
「ええ、ええ。
言ってましたとも。
声変わりしたのかなとも言ってたわ。
梨花のお母さんが。
なんかおかしくない?」
「ん?」
「そう、朔斗くんは本人が電話で休むって
学校に連絡来たって言うけど、
梨花はお母さんって言ってたから。」
「へぇ、そうなんだ。」
「???
どういうことかな。
梨花ちゃん?
お母さんに頼んで連絡したんじゃないの?」
「あ、うん。そうだよ。
その通り。」
「梨花、まだ何か隠してるね。
今日の昼休み覚悟してなさいよ?!」
美貴はじりじりと梨花に迫って言う。
誘導尋問でも行われるのだろうか。
ここは裁判所か。
悪いことはしてないはずだ。
梨花は意味が分からずに
午前中の授業をドキドキしながら過ごした。
その時の朔斗はというと、
もちろん通常運転。
梨花のことなんて気にもせず。
黙っていつも通りに授業を受けていた。
その様子を見るとなぜだかすごく
イライラする梨花だった。
⬜︎⬜︎⬜︎
昼休みのチャイムが鳴った。
「さてさて、梨花ちゃん。
屋上行って詳しく聞こうじゃないのぉ。」
美貴はお弁当を持つ梨花の首根っこをつかんで
ずるずると連れていく。
猫のように言われるままに過ごす梨花。
何も言えなかった。
恵麻は、後ろから着いていく。
「梨花もそうやって、何もしてないとか
何でもないとか言うけど、
堂々と学校サボるなんて
すごい度胸だわ。」
「え、恵麻?
私、サボったなんて言ってないよ?」
屋上の移動中、廊下で周りの同級生たちは
不思議そうに3人を見つめていた。
ざわざわと賑わう昼休み。
窓際に座る朔斗は知らないふりで
頬杖ついて外を見ていた。
屋上の扉を開けると
一瞬だけ強い風が吹いていた。
カザミドリがカタカタとうるさいくらいに
音を出していた。
屋上のベンチに3人並んで、
お弁当の蓋を開けた。
「やっと風やんだ。
なんだろうね、さっきの。
スカートも危なかったわ。」
恵麻が言う。
「台風でも近ついてるのかな。」
美貴が反応した。
「あのさ、梨花。
昨日って、どこが具合悪かったの?」
「お腹痛くてさ。」
「あ、そうなんだ。
…それで納得すると思う?」
「え?!」
梨花の持っていた箸がとまる。
「バレてるからねぇ。」
「うっそぉ。」
「私のおばあちゃん。
見たことある子が
電車に乗っていたって言ってたわ。」
恵麻の祖母が昨日の朔斗と梨花が乗っていた
電車に一緒に乗っていたらしい。
目を丸くして驚いた。
「え?人違いじゃないかしら。」
「そんなわけないでしょう。
一緒の駅から乗っているんだから
うちの高校ってすぐわかるわ。」
「おばあちゃんに口止め料払って
おけばよかったな。」
「梨花?聞こえてるよ?
真実を話してもらっていいかな。」
恵麻は、梨花の前に顔を近づけてせまる。
苦笑いをして諦めた。
恵麻と美貴に昨日の出来事を話すことにした。
お弁当を食べることを忘れるくらい夢中だった。
教室の中、梨花が席につくと
恵麻と美貴がジロジロと
梨花の顔を見つめる。
「梨花ぁ、昨日、
朔斗くんと一緒だったでしょう!?」
おはようもなしに急に本題に入る。
「恵麻、おはよう。
何、どうしたの。
急に。
なんでそうなるの?
具合悪いって先生言ってなかった?」
「ええ、ええ。
言ってましたとも。
声変わりしたのかなとも言ってたわ。
梨花のお母さんが。
なんかおかしくない?」
「ん?」
「そう、朔斗くんは本人が電話で休むって
学校に連絡来たって言うけど、
梨花はお母さんって言ってたから。」
「へぇ、そうなんだ。」
「???
どういうことかな。
梨花ちゃん?
お母さんに頼んで連絡したんじゃないの?」
「あ、うん。そうだよ。
その通り。」
「梨花、まだ何か隠してるね。
今日の昼休み覚悟してなさいよ?!」
美貴はじりじりと梨花に迫って言う。
誘導尋問でも行われるのだろうか。
ここは裁判所か。
悪いことはしてないはずだ。
梨花は意味が分からずに
午前中の授業をドキドキしながら過ごした。
その時の朔斗はというと、
もちろん通常運転。
梨花のことなんて気にもせず。
黙っていつも通りに授業を受けていた。
その様子を見るとなぜだかすごく
イライラする梨花だった。
⬜︎⬜︎⬜︎
昼休みのチャイムが鳴った。
「さてさて、梨花ちゃん。
屋上行って詳しく聞こうじゃないのぉ。」
美貴はお弁当を持つ梨花の首根っこをつかんで
ずるずると連れていく。
猫のように言われるままに過ごす梨花。
何も言えなかった。
恵麻は、後ろから着いていく。
「梨花もそうやって、何もしてないとか
何でもないとか言うけど、
堂々と学校サボるなんて
すごい度胸だわ。」
「え、恵麻?
私、サボったなんて言ってないよ?」
屋上の移動中、廊下で周りの同級生たちは
不思議そうに3人を見つめていた。
ざわざわと賑わう昼休み。
窓際に座る朔斗は知らないふりで
頬杖ついて外を見ていた。
屋上の扉を開けると
一瞬だけ強い風が吹いていた。
カザミドリがカタカタとうるさいくらいに
音を出していた。
屋上のベンチに3人並んで、
お弁当の蓋を開けた。
「やっと風やんだ。
なんだろうね、さっきの。
スカートも危なかったわ。」
恵麻が言う。
「台風でも近ついてるのかな。」
美貴が反応した。
「あのさ、梨花。
昨日って、どこが具合悪かったの?」
「お腹痛くてさ。」
「あ、そうなんだ。
…それで納得すると思う?」
「え?!」
梨花の持っていた箸がとまる。
「バレてるからねぇ。」
「うっそぉ。」
「私のおばあちゃん。
見たことある子が
電車に乗っていたって言ってたわ。」
恵麻の祖母が昨日の朔斗と梨花が乗っていた
電車に一緒に乗っていたらしい。
目を丸くして驚いた。
「え?人違いじゃないかしら。」
「そんなわけないでしょう。
一緒の駅から乗っているんだから
うちの高校ってすぐわかるわ。」
「おばあちゃんに口止め料払って
おけばよかったな。」
「梨花?聞こえてるよ?
真実を話してもらっていいかな。」
恵麻は、梨花の前に顔を近づけてせまる。
苦笑いをして諦めた。
恵麻と美貴に昨日の出来事を話すことにした。
お弁当を食べることを忘れるくらい夢中だった。