好きって言わなくても分かるでしょ
第25話 寝不足の朝
何の音もしない朝。
ぱちっと突然目が覚めた。
アラームも鳴ってない。
まだ早い。
スマホの時刻を確認すると5:48
こんな時間に起きたことがない。
いつもは6:00を過ぎる。
むしろ二度寝をして6:20になることもある。
なんだか寝た気がしない。
熟睡してなかったのか。
徹夜でテスト勉強したからか。
と言ってもいつも寝る時間より1時間だけ
起きてただけ。
今日のテストは割と得意な英語と国語だ。
あとは、日本史。これはあまり覚えられないけど
適当に答えて当たっていたらラッキーで乗り越える。
そんなことをしているからいつも日本史は赤点で補修を受けるんだろうけど、苦手なのは仕方ないのだ。
補修受けて何とかなる人生ならば救いだろうと
達観する。
梨花の場合の勉強の度合いは得意不得意に
雲泥の差がある。
日本史と物理以外は90点前後の高得点だが、
苦手なものはとことん苦手で赤点になることが多い。
この科目は人生において必要ないと
もう割り切っている。
歴史は好きじゃないのに世界史は
点数を取れているのは理由があった。
世界史の先生が教え方が好きだからという
単純な理由だ。
****
玄関のドアを開けて、行ってきますと声をかけた。
返事を待たずに
英語の単語帳をぺらぺらとめくりながら、
駅まで歩いていると、後ろから朔斗が静かに
歩いていた。
気配でわかる。
でも声をかけてこない。
なんでだろうと後ろ振り向くと、いない。
電柱に誰かが隠れているが
知らないふりをしよう。
対応するのに面倒になって、そそくさと小走りで急ぐとそれに気づいた朔斗は慌てて、隠れていた電柱から走って追いかけてきた。
一歩間違えばストーカーに見えなくもない。
数分後、
駅舎の中に入ろうとすると交番から出てきた
お巡りさんに声をかけられている。
「きみ、走って何してるの?」
「え、いや、そのこれから学校に。」
「女の子、追いかけてないよね?
気をつけてね。
今、そういう不審者多いから。」
「俺、学生っすよ。
ほら、制服着てるじゃないですか?」
「あ、それもそうか。
でもさっきの走り方が…。」
「は?言いがかりはやめてください。」
「あ、ああ。
気をつけていってらっしゃい!」
突然何事もなかったように切り替える
お巡りさんにイラッとする朔斗。
いつの間にか前にいた梨花はいなくなっていた。
梨花は、昨日届いたラインのメッセージのことを
聞かれるのが嫌で、避けていた。
変なたぬき文章なんて
恥ずかしくてすぐ消してしまった。
そういうのは直接口で言って
欲しいものだと感じてしまう。
梨花は、遠く離れた車両に乗って朔斗に
会わないようにしていた。
ボックス席に座り、
朔斗は鼻息を荒くして、どうしてお巡りさんに
声をかけられなきゃないんだと憤慨していた。
電車は、いつも通りの時間に発車する。
ぱちっと突然目が覚めた。
アラームも鳴ってない。
まだ早い。
スマホの時刻を確認すると5:48
こんな時間に起きたことがない。
いつもは6:00を過ぎる。
むしろ二度寝をして6:20になることもある。
なんだか寝た気がしない。
熟睡してなかったのか。
徹夜でテスト勉強したからか。
と言ってもいつも寝る時間より1時間だけ
起きてただけ。
今日のテストは割と得意な英語と国語だ。
あとは、日本史。これはあまり覚えられないけど
適当に答えて当たっていたらラッキーで乗り越える。
そんなことをしているからいつも日本史は赤点で補修を受けるんだろうけど、苦手なのは仕方ないのだ。
補修受けて何とかなる人生ならば救いだろうと
達観する。
梨花の場合の勉強の度合いは得意不得意に
雲泥の差がある。
日本史と物理以外は90点前後の高得点だが、
苦手なものはとことん苦手で赤点になることが多い。
この科目は人生において必要ないと
もう割り切っている。
歴史は好きじゃないのに世界史は
点数を取れているのは理由があった。
世界史の先生が教え方が好きだからという
単純な理由だ。
****
玄関のドアを開けて、行ってきますと声をかけた。
返事を待たずに
英語の単語帳をぺらぺらとめくりながら、
駅まで歩いていると、後ろから朔斗が静かに
歩いていた。
気配でわかる。
でも声をかけてこない。
なんでだろうと後ろ振り向くと、いない。
電柱に誰かが隠れているが
知らないふりをしよう。
対応するのに面倒になって、そそくさと小走りで急ぐとそれに気づいた朔斗は慌てて、隠れていた電柱から走って追いかけてきた。
一歩間違えばストーカーに見えなくもない。
数分後、
駅舎の中に入ろうとすると交番から出てきた
お巡りさんに声をかけられている。
「きみ、走って何してるの?」
「え、いや、そのこれから学校に。」
「女の子、追いかけてないよね?
気をつけてね。
今、そういう不審者多いから。」
「俺、学生っすよ。
ほら、制服着てるじゃないですか?」
「あ、それもそうか。
でもさっきの走り方が…。」
「は?言いがかりはやめてください。」
「あ、ああ。
気をつけていってらっしゃい!」
突然何事もなかったように切り替える
お巡りさんにイラッとする朔斗。
いつの間にか前にいた梨花はいなくなっていた。
梨花は、昨日届いたラインのメッセージのことを
聞かれるのが嫌で、避けていた。
変なたぬき文章なんて
恥ずかしくてすぐ消してしまった。
そういうのは直接口で言って
欲しいものだと感じてしまう。
梨花は、遠く離れた車両に乗って朔斗に
会わないようにしていた。
ボックス席に座り、
朔斗は鼻息を荒くして、どうしてお巡りさんに
声をかけられなきゃないんだと憤慨していた。
電車は、いつも通りの時間に発車する。