好きって言わなくても分かるでしょ
第27話 テストのあとの予定
「梨花、今日、どう?」
恵麻が授業終わりに声をかける。
梨花は、どうと言われてもという表情を浮かべる。
「テストなら、ヤマカン当たったかな。」
「嘘、まじで?
いいなぁ。私、全然書けなかったよ。」
恵麻はがっかりした顔で答えた。
そこへ美貴が顔を出す。
「テストはいいけどさぁ。
梨花、朔斗くんとはその後、どうなったの?」
「……よくわからない。」
「付き合ってるんでしょう?」
「え?そう、みんなは、見えるの?」
「気づいてないと思うけど、もう噂までたってるよ。本人たちより周りがそう思ってる。」
梨花は、大きなため息をつく。
「そうなってるならさぁ。
あいつに言ってほしいくらい。
好きだってはっきり言われないでさ。」
沸々と不満がたまっていく。
「梨花がはっきり言えば良いじゃない?」
「え、あ、あたしが言うの?」
「でも、そういうのって
男子から言う方がうまくいくって言わない?」
「いつの時代の話?
そんなのどっちからでもいいに
決まってるじゃない。ねぇ、恵麻。」
「うん。そうだよ。
梨花がはっきりしちゃえばいいんだって。」
「あたしがはっきりしないからなのかな…。
モヤモヤするのって。」
「うん。そうだよ。」
腕を組んで考える梨花。
恵麻と美貴はじっと応援する。
放課後の静かな教室。
3人はようやく、帰る準備を始めた。
女子の話は尽きないものだ。
****
家のドアを開けると、ミャーゴが朔斗の家からこちらドアにさっとに入ろうとしていた。
ご主人様はどこにもいない。
「ミャーゴ、どうした?1人なの?」
自然の流れで梨花はミャーゴを抱っこして、
家の中に入れた。ぺろぺろと鼻の頭を舐められた。
「ただいま。」
「おかえり。梨花。
あれ、その猫、お隣さん?」
梨花の母が声をかけた。
「そう。なんか、私、この子に
気に入られてるみたい。」
「可愛いね。
時々、隙間を狙って、家の中入ってくるわよ。
梨花を探してたのね。」
「そうなんだ。私狙いの猫か。
素直でいいね、きみは。」
梨花は抱っこしながら、なでなでする。
「ちょっと、2階で休んでるね。
おやつは食べるから。」
「おやつは
頂き物のバウムクーヘンくらいしかないよ?」
「それで十分。」
梨花はミャーゴを抱っこしながら,
部屋の中にいく。
母から受け取ったバウムクーヘンをむさぼる。
テスト勉強をしないといけないなと
時間割を確認する。
横から強烈な視線を感じる。
朔斗だった。
何も言わずに睨んでいる。
ベランダの窓を開けた。
「ちょっと、ミャーゴ、こっちによこすの
やめてくれない?」
「テストに集中できないのはミャーゴのせいだ。」
「違うでしょう。朔斗の実力だって。」
「ちぇ…。」
ミャーゴは何事もなかったように
朔斗の部屋に戻っていった。
なんとなく、寂しくなった。
ミャーゴの抱っこはあたたかったからだ。
「あのさ、テスト終わったら、どっか行かね?」
「は?」
「いいから。予定、開けておけよ!!」
そう言って、朔斗は窓を閉めた。
恥ずかしくなって、顔を赤くしていた。
そんなに恥ずかしいなら言うのを
やめればいいのにと梨花は思った。
朔斗には消したと言ったが、
スマホにきちんとスクリーンショットで
保存していたたぬき文章を取っていた。
梨花にとって、
今は、それだけが信じられるものだ。
恵麻が授業終わりに声をかける。
梨花は、どうと言われてもという表情を浮かべる。
「テストなら、ヤマカン当たったかな。」
「嘘、まじで?
いいなぁ。私、全然書けなかったよ。」
恵麻はがっかりした顔で答えた。
そこへ美貴が顔を出す。
「テストはいいけどさぁ。
梨花、朔斗くんとはその後、どうなったの?」
「……よくわからない。」
「付き合ってるんでしょう?」
「え?そう、みんなは、見えるの?」
「気づいてないと思うけど、もう噂までたってるよ。本人たちより周りがそう思ってる。」
梨花は、大きなため息をつく。
「そうなってるならさぁ。
あいつに言ってほしいくらい。
好きだってはっきり言われないでさ。」
沸々と不満がたまっていく。
「梨花がはっきり言えば良いじゃない?」
「え、あ、あたしが言うの?」
「でも、そういうのって
男子から言う方がうまくいくって言わない?」
「いつの時代の話?
そんなのどっちからでもいいに
決まってるじゃない。ねぇ、恵麻。」
「うん。そうだよ。
梨花がはっきりしちゃえばいいんだって。」
「あたしがはっきりしないからなのかな…。
モヤモヤするのって。」
「うん。そうだよ。」
腕を組んで考える梨花。
恵麻と美貴はじっと応援する。
放課後の静かな教室。
3人はようやく、帰る準備を始めた。
女子の話は尽きないものだ。
****
家のドアを開けると、ミャーゴが朔斗の家からこちらドアにさっとに入ろうとしていた。
ご主人様はどこにもいない。
「ミャーゴ、どうした?1人なの?」
自然の流れで梨花はミャーゴを抱っこして、
家の中に入れた。ぺろぺろと鼻の頭を舐められた。
「ただいま。」
「おかえり。梨花。
あれ、その猫、お隣さん?」
梨花の母が声をかけた。
「そう。なんか、私、この子に
気に入られてるみたい。」
「可愛いね。
時々、隙間を狙って、家の中入ってくるわよ。
梨花を探してたのね。」
「そうなんだ。私狙いの猫か。
素直でいいね、きみは。」
梨花は抱っこしながら、なでなでする。
「ちょっと、2階で休んでるね。
おやつは食べるから。」
「おやつは
頂き物のバウムクーヘンくらいしかないよ?」
「それで十分。」
梨花はミャーゴを抱っこしながら,
部屋の中にいく。
母から受け取ったバウムクーヘンをむさぼる。
テスト勉強をしないといけないなと
時間割を確認する。
横から強烈な視線を感じる。
朔斗だった。
何も言わずに睨んでいる。
ベランダの窓を開けた。
「ちょっと、ミャーゴ、こっちによこすの
やめてくれない?」
「テストに集中できないのはミャーゴのせいだ。」
「違うでしょう。朔斗の実力だって。」
「ちぇ…。」
ミャーゴは何事もなかったように
朔斗の部屋に戻っていった。
なんとなく、寂しくなった。
ミャーゴの抱っこはあたたかったからだ。
「あのさ、テスト終わったら、どっか行かね?」
「は?」
「いいから。予定、開けておけよ!!」
そう言って、朔斗は窓を閉めた。
恥ずかしくなって、顔を赤くしていた。
そんなに恥ずかしいなら言うのを
やめればいいのにと梨花は思った。
朔斗には消したと言ったが、
スマホにきちんとスクリーンショットで
保存していたたぬき文章を取っていた。
梨花にとって、
今は、それだけが信じられるものだ。