好きって言わなくても分かるでしょ
第33話 お互いの視線先は
教室に着いて、ため息をついた。
いつもと違う朝を過ごしたつもりが、
結局いつも通りって自分の行動が訳がわからない。
そして、いつも以上に朔斗と目の合う回数が多い。
ふと窓際を見ると、朔斗がこちらを見ている。
気のせいと思うくらい目が合ってしまう。
無意識だ。見てるつもりがない黒板を見るだけで
視線が痛い。
今まで確かに朔斗を見ていたが、
バチっと合う回数が多すぎる。
恥ずかしすぎて、見るのをやめておこうかと
梨花は逆に朔斗を避けるようになる。
恵麻と美貴はその様子を間近で感じている。
休み時間のチャイムがなった。
「はい。今日はここまで次回小テストするからな。
きちんと復習しておくように。」
日本史の授業が終わった。
歴史上の人物テストが行われる。
梨花は暗記は苦手だが、頑張って覚えようと
数学の教科書を見て気持ちを落ち着かせた。
いやいや、覚えるのは数式じゃなくて
戦国時代の人物だ。
サインコサインタンジェントなんて
書いても正解にはならない。
わかっているのに得意科目の方が安心してしまう。
「梨花、お弁当ある?
私、今日購買に行くんだ。
一緒行く?」
恵麻が声をかけた。
隣には財布を持った美貴もいる。
「お弁当あるけど、美貴も行くなら私も行っていい?
菓子パン買おうかなと思って、
糖分取って記憶力高めないと!」
「梨花、なんで数学の教科書出してるの?
さっきの授業は日本史だよ。
しかも今日の時間割に数学無いけど…。」
鋭いツッコミを恵麻がする。
美貴はぷっと笑いを止められなかった。
「梨花、朝から行動がおかしかったから…。
大丈夫?本当に。気持ちふわふわしてない?」
廊下に進もうとしたら、教室の出入り口付近で
朔斗の背中にぶつかった。
「おい、ちゃんと前見ろよ。」
「…いーっだ。」
照れながら舌を出してごまかそうとする
梨花に怒り心頭の朔斗。
「あのなぁ。ぶつかったのはそっちだろ。」
「ねえねぇ、美貴。今日メロンパン買えるかな。」
「ど、どうかな。早く行かないと売り切れるん
じゃない?」
梨花は朔斗を無視をして、美貴に話しかける。
取り残された朔斗と隣にいる広大は呆然とする。
「なぁ、朔斗。梨花ちゃんに何かしたの?
いつもと雰囲気違うんじゃね?2人とも。」
「…な、何もしてねぇよ。」
「うそぉ。本当に?
お前ら付き合ってるのに進んでないわけ?」
「な、な、な。広大、お前静かにしろよ。」
朔斗は広大の口をふさいだ。
モゴモゴと言っている。
その絡みをしっかりと恵麻が見ていた。
梨花は廊下に進んでいて、
全然気にしていなかった。
(これはもしかすると…。ひょっとして?)
恵麻の頭の中は2人のことでいっぱいだった。
ニヤニヤと笑いがとまらない。
購買に行く2人を追いかけた。
まだ言わないでおこうと話すのを後にした。
気にしないで美貴と梨花は、購買で何を買うか
考えていた。
朔斗は、廊下を通り過ぎる梨花を遠くから
見つめていた。
広大はそんな朔斗を見て、呆れた様子だった。
(そんなに好きならささっとすれば
いいのに本当に朔斗は奥手だな。全く……。)
今日のお昼休みも
朔斗と梨花の話で盛り上がることだろう。
いつもと違う朝を過ごしたつもりが、
結局いつも通りって自分の行動が訳がわからない。
そして、いつも以上に朔斗と目の合う回数が多い。
ふと窓際を見ると、朔斗がこちらを見ている。
気のせいと思うくらい目が合ってしまう。
無意識だ。見てるつもりがない黒板を見るだけで
視線が痛い。
今まで確かに朔斗を見ていたが、
バチっと合う回数が多すぎる。
恥ずかしすぎて、見るのをやめておこうかと
梨花は逆に朔斗を避けるようになる。
恵麻と美貴はその様子を間近で感じている。
休み時間のチャイムがなった。
「はい。今日はここまで次回小テストするからな。
きちんと復習しておくように。」
日本史の授業が終わった。
歴史上の人物テストが行われる。
梨花は暗記は苦手だが、頑張って覚えようと
数学の教科書を見て気持ちを落ち着かせた。
いやいや、覚えるのは数式じゃなくて
戦国時代の人物だ。
サインコサインタンジェントなんて
書いても正解にはならない。
わかっているのに得意科目の方が安心してしまう。
「梨花、お弁当ある?
私、今日購買に行くんだ。
一緒行く?」
恵麻が声をかけた。
隣には財布を持った美貴もいる。
「お弁当あるけど、美貴も行くなら私も行っていい?
菓子パン買おうかなと思って、
糖分取って記憶力高めないと!」
「梨花、なんで数学の教科書出してるの?
さっきの授業は日本史だよ。
しかも今日の時間割に数学無いけど…。」
鋭いツッコミを恵麻がする。
美貴はぷっと笑いを止められなかった。
「梨花、朝から行動がおかしかったから…。
大丈夫?本当に。気持ちふわふわしてない?」
廊下に進もうとしたら、教室の出入り口付近で
朔斗の背中にぶつかった。
「おい、ちゃんと前見ろよ。」
「…いーっだ。」
照れながら舌を出してごまかそうとする
梨花に怒り心頭の朔斗。
「あのなぁ。ぶつかったのはそっちだろ。」
「ねえねぇ、美貴。今日メロンパン買えるかな。」
「ど、どうかな。早く行かないと売り切れるん
じゃない?」
梨花は朔斗を無視をして、美貴に話しかける。
取り残された朔斗と隣にいる広大は呆然とする。
「なぁ、朔斗。梨花ちゃんに何かしたの?
いつもと雰囲気違うんじゃね?2人とも。」
「…な、何もしてねぇよ。」
「うそぉ。本当に?
お前ら付き合ってるのに進んでないわけ?」
「な、な、な。広大、お前静かにしろよ。」
朔斗は広大の口をふさいだ。
モゴモゴと言っている。
その絡みをしっかりと恵麻が見ていた。
梨花は廊下に進んでいて、
全然気にしていなかった。
(これはもしかすると…。ひょっとして?)
恵麻の頭の中は2人のことでいっぱいだった。
ニヤニヤと笑いがとまらない。
購買に行く2人を追いかけた。
まだ言わないでおこうと話すのを後にした。
気にしないで美貴と梨花は、購買で何を買うか
考えていた。
朔斗は、廊下を通り過ぎる梨花を遠くから
見つめていた。
広大はそんな朔斗を見て、呆れた様子だった。
(そんなに好きならささっとすれば
いいのに本当に朔斗は奥手だな。全く……。)
今日のお昼休みも
朔斗と梨花の話で盛り上がることだろう。