好きって言わなくても分かるでしょ
第43話 ミャーゴを思い出す
ぼやっとした神社の隅の方、薄暗い場所で
梨花と朔斗は、隣同士寄り添って、
ずっと指を絡めて座っていた。
木々の隙間から見える打ち上げ花火を
見ていた。
カラフルな虹色だったり、
ニコニコとしたスマイルの絵文字だったり
変わった形の花火に歓声があがっていた。
「お祭り、来てよかったな。」
「うん、そうだね。」
「そうだなぁ、今度どこ行こうかな。」
朔斗が次の出かける場所を決めようとすると
梨花が急にあることが気になり出した。
「ねぇ、今かなり暗いけどさぁ、
ミャーゴってお留守番してるの?」
「あ、ああ。確か今日は、家族もお祭りに
行こうかなって外出してたはずだから…。
今は、ミャーゴは1人で俺の部屋で
過ごしてるんじゃないか。」
「か、かわいそう!!
1人にしちゃストレスになるよ。
猫だって、真っ暗なところ嫌でしょう。
帰ろう。ミャーゴを1人にしないで。」
梨花は立ち上がって、朔斗の手を引っ張った。
「え、おい。俺のことは?」
朔斗はミャーゴのことばかり心配する梨花に
腹が立った。目の前にいるそして今の時間を
放って置いてミャーゴという頭になるのが
信じられなかった。
「はぁ?!それどころじゃないって。
ほら、行こう。ミャーゴのところ。」
梨花は歩きにくそうな下駄をカランコロン
鳴らして石畳の道を歩いた。
朔斗はその様子を見て、手を繋ぎながら
転ばないようにゆっくりと歩いた。
その気遣いが嬉しかった。
******
「お邪魔します。」
梨花は、ミャーゴの様子を確認しに
朔斗の家にお邪魔することになった。
何ヵ月ぶりかミャーゴに会うことになる。
部屋のドアを開けると、
真っ先に飛び込んできたのか朔斗かと
思いきや、梨花の体にしがみついてきた。
浴衣を着ていたため、
ボロボロにならないか
心配だったが、
梨花がいつもと違う服装だと考えた
どうにかそこはミャーゴも
考えていたようで、
なぜか、階段の手すりに登って、
梨花の肩に乗った。
「あれ、ミャーゴ、
前見た時より太ったんじゃない?」
「そうかな。」
「ちょ、ちょっと目の前で急に着替えないでよ。
私いるでしょう!!」
梨花は突然甚平の服を脱ぎ出した朔斗に言う。
ミャーゴを抱っこしながら反対向きになった。
「あ、悪い。
なんか、この服ごそごそしてて
着替えたくなったんだ。
べ、別にいいだろう。
減るもんじゃないし、下は履いてるんだから。」
甚平の上だけを脱ぐと暑かったのか
上半身裸になった。
幼少期に庭で一緒にプール遊びした以来、
朔斗の体を見るのは久しぶりだった。
高校生になるとぷにぷにの体が
スポーツをしているせいか
筋肉がついていて、腹筋も割れていた。
後ろを向いて見ないようにと手で目を隠した。
「なあ、別に見てもいいだろ。
そういう仲なんだから。」
ミャーゴが抱っこから急にミャーと鳴いておりた。
後ろから梨花の肩をぎゅうと抱いた。
まさか上半身裸の状態で触れられるとは
思わなかった。
うなじに息が拭きかかる。
両耳が真っ赤になる。
朔斗は梨花の耳をハムっと口ではさんだ。
ゾワゾワと鳥肌がたった。
梨花は腕を見せて、
薄いうぶ毛が立っていることアピールした。
「耳はやめて。」
「んじゃ、これは?」
「ん…。」
何か言いかけようとすると、
朔斗は後ろから顎クイをして、
濃厚に梨花の唇を奪った。
息が荒くなる。
だんだん全神経がふわっと
宙に浮くようになった。
首筋に唇を当てる。
「梨花、俺。もう無理。」
「え。」
ミャーゴはいつの間にか、階段をおりて
リビングの方へ言ってしまう。
浴衣を着たまま、梨花は抱っこされて、
ベッドの方へ運ばれた。
天井を見ると、ぼんやりと小さい電気が
ついている。
お互いの目を見つめ合う。
朔斗の顔が梨花の首の横に移動した。
顔の横では両手をしっかりと指を絡めて、
繋いでいる。
心臓がいくつあっても足りない。
これは夢なんかじゃないかと思った。
気持ちが高揚した。
梨花は、朔斗の頭が胸のそばに来ると
手でよしよしと撫でた。
「俺は、こどもじゃない。」
「こどもみたいなもんだよ。
小さい頃から見てるけど、
全然変わらないね。
朔斗は、そのままだった。
変わってなくて安心した。」
お互いに仰向けになって、天井を見た。
「俺は変わらないよ、今も昔も。
梨花のそばにいるんだから。」
自分の頭を梨花の胸のそばに置いて
ハグをした。
「え、それって…。」
「考えれば分かるでしょう。
最後まで言わすなよ。」
「…別に言ってもいいと思うけど。」
「は?そういうこというなら
もう1回するぞーーー。」
朔斗は梨花の両脇をこちょこちょしはじめた。
「それはやめて、反則。
てか、それこそ、こどもだし!!
やめてもらっていい?」
「…無理ですぅ。」
朔斗はやめてと言われてもずっとくすぐり始めた。
すると、1階の玄関のドアの開く音がした。
「やっべー、両親帰ってきた。」
朔斗はベッドから飛び起きて、クローゼットから
いつもの服を取り出した。
梨花は乱れた浴衣を整えて、
隣のベランダにうつろうとした。
「ちょっと待ってよ。別にいいから。
ちゃんと親に紹介するから。」
「え、だって、ばれたやばくない?」
「大丈夫だろ。梨花だし。」
ベランダに乗せた足をおろした。
浴衣を整えて、深呼吸した。
朔斗は部屋のドアを開けて、廊下に出た。
梨花と朔斗は、隣同士寄り添って、
ずっと指を絡めて座っていた。
木々の隙間から見える打ち上げ花火を
見ていた。
カラフルな虹色だったり、
ニコニコとしたスマイルの絵文字だったり
変わった形の花火に歓声があがっていた。
「お祭り、来てよかったな。」
「うん、そうだね。」
「そうだなぁ、今度どこ行こうかな。」
朔斗が次の出かける場所を決めようとすると
梨花が急にあることが気になり出した。
「ねぇ、今かなり暗いけどさぁ、
ミャーゴってお留守番してるの?」
「あ、ああ。確か今日は、家族もお祭りに
行こうかなって外出してたはずだから…。
今は、ミャーゴは1人で俺の部屋で
過ごしてるんじゃないか。」
「か、かわいそう!!
1人にしちゃストレスになるよ。
猫だって、真っ暗なところ嫌でしょう。
帰ろう。ミャーゴを1人にしないで。」
梨花は立ち上がって、朔斗の手を引っ張った。
「え、おい。俺のことは?」
朔斗はミャーゴのことばかり心配する梨花に
腹が立った。目の前にいるそして今の時間を
放って置いてミャーゴという頭になるのが
信じられなかった。
「はぁ?!それどころじゃないって。
ほら、行こう。ミャーゴのところ。」
梨花は歩きにくそうな下駄をカランコロン
鳴らして石畳の道を歩いた。
朔斗はその様子を見て、手を繋ぎながら
転ばないようにゆっくりと歩いた。
その気遣いが嬉しかった。
******
「お邪魔します。」
梨花は、ミャーゴの様子を確認しに
朔斗の家にお邪魔することになった。
何ヵ月ぶりかミャーゴに会うことになる。
部屋のドアを開けると、
真っ先に飛び込んできたのか朔斗かと
思いきや、梨花の体にしがみついてきた。
浴衣を着ていたため、
ボロボロにならないか
心配だったが、
梨花がいつもと違う服装だと考えた
どうにかそこはミャーゴも
考えていたようで、
なぜか、階段の手すりに登って、
梨花の肩に乗った。
「あれ、ミャーゴ、
前見た時より太ったんじゃない?」
「そうかな。」
「ちょ、ちょっと目の前で急に着替えないでよ。
私いるでしょう!!」
梨花は突然甚平の服を脱ぎ出した朔斗に言う。
ミャーゴを抱っこしながら反対向きになった。
「あ、悪い。
なんか、この服ごそごそしてて
着替えたくなったんだ。
べ、別にいいだろう。
減るもんじゃないし、下は履いてるんだから。」
甚平の上だけを脱ぐと暑かったのか
上半身裸になった。
幼少期に庭で一緒にプール遊びした以来、
朔斗の体を見るのは久しぶりだった。
高校生になるとぷにぷにの体が
スポーツをしているせいか
筋肉がついていて、腹筋も割れていた。
後ろを向いて見ないようにと手で目を隠した。
「なあ、別に見てもいいだろ。
そういう仲なんだから。」
ミャーゴが抱っこから急にミャーと鳴いておりた。
後ろから梨花の肩をぎゅうと抱いた。
まさか上半身裸の状態で触れられるとは
思わなかった。
うなじに息が拭きかかる。
両耳が真っ赤になる。
朔斗は梨花の耳をハムっと口ではさんだ。
ゾワゾワと鳥肌がたった。
梨花は腕を見せて、
薄いうぶ毛が立っていることアピールした。
「耳はやめて。」
「んじゃ、これは?」
「ん…。」
何か言いかけようとすると、
朔斗は後ろから顎クイをして、
濃厚に梨花の唇を奪った。
息が荒くなる。
だんだん全神経がふわっと
宙に浮くようになった。
首筋に唇を当てる。
「梨花、俺。もう無理。」
「え。」
ミャーゴはいつの間にか、階段をおりて
リビングの方へ言ってしまう。
浴衣を着たまま、梨花は抱っこされて、
ベッドの方へ運ばれた。
天井を見ると、ぼんやりと小さい電気が
ついている。
お互いの目を見つめ合う。
朔斗の顔が梨花の首の横に移動した。
顔の横では両手をしっかりと指を絡めて、
繋いでいる。
心臓がいくつあっても足りない。
これは夢なんかじゃないかと思った。
気持ちが高揚した。
梨花は、朔斗の頭が胸のそばに来ると
手でよしよしと撫でた。
「俺は、こどもじゃない。」
「こどもみたいなもんだよ。
小さい頃から見てるけど、
全然変わらないね。
朔斗は、そのままだった。
変わってなくて安心した。」
お互いに仰向けになって、天井を見た。
「俺は変わらないよ、今も昔も。
梨花のそばにいるんだから。」
自分の頭を梨花の胸のそばに置いて
ハグをした。
「え、それって…。」
「考えれば分かるでしょう。
最後まで言わすなよ。」
「…別に言ってもいいと思うけど。」
「は?そういうこというなら
もう1回するぞーーー。」
朔斗は梨花の両脇をこちょこちょしはじめた。
「それはやめて、反則。
てか、それこそ、こどもだし!!
やめてもらっていい?」
「…無理ですぅ。」
朔斗はやめてと言われてもずっとくすぐり始めた。
すると、1階の玄関のドアの開く音がした。
「やっべー、両親帰ってきた。」
朔斗はベッドから飛び起きて、クローゼットから
いつもの服を取り出した。
梨花は乱れた浴衣を整えて、
隣のベランダにうつろうとした。
「ちょっと待ってよ。別にいいから。
ちゃんと親に紹介するから。」
「え、だって、ばれたやばくない?」
「大丈夫だろ。梨花だし。」
ベランダに乗せた足をおろした。
浴衣を整えて、深呼吸した。
朔斗は部屋のドアを開けて、廊下に出た。