好きって言わなくても分かるでしょ
第4話 昼休み
のどかな学校の昼休み。
ポカポカと日差しが教室の中に
入ってくる。
梨花はできたばかりの友達と机を合わせて
談笑していた。
浅野恵麻と菅原美貴と3人で食べるお弁当は
おいしかった。
時々、卵焼きを交換して味比べをした。
甘いのがいいか塩っけが多い方がいいかで
討論会が始まる。
結局のところ、どっちでもいいで
話は終わる。食べられればいいらしい。
笑いながら話してるのを、
同じクラスの朔斗は隣の席の松岡広大と一緒に
スマホゲームの話をしながら、チラッと梨花の様子を
伺っていた。
「なあ、朔斗。
梨花って名前だっけ。」
「え?」
「チラッて今見たやつ。」
「見てねぇよ。
壁にかかってるカレンダー見てたから。」
「あ、そう。そう来ますか。
んじゃ、俺がその子好きだなぁって言っても
気にしないのね。」
「は?!マジ?」
「おーーーいい反応。」
「え?」
「嘘に決まってるだろ。
カマかけただけだ。」
「嘘ついたな。広大。」
「そうだよ。悪いか。
俺と話するのにチラチラ向こう見てるからだよ。
ヤキモチ妬いちゃうぞ。」
広大は冗談っぽく、朔斗の腕をパンチした。
「違うって言ってんだろ。
あんなのミミックだわ。」
「???」
「宝箱?」
「食われるってこと。バクっと。」
「お前、ゲームのしすぎだよ。」
「お前に言われたくないわ。」
男友達はあまり作らない主義の
朔斗は、広大だけには多少心を開いていた。
遠くで梨花も朔斗の様子を見て、
友達いるんだと感心していた。
梨花の前では全然言葉少ないのに、
広大の前では普通に話す。
表裏のある性格なのかもしれない。
本当の自分を隠したいが、
時々どれが本物だったかわからなく朔斗だった。
****
体育の時間。
これからバスケをすると言う時、
女子は4列にならんで、
チームを決めることになっていた。
3人は運がいいことに一緒のチームだった。
「ねぇ、そういやさ。
梨花、昨日、朔斗くんと
一緒に帰ってたでしょう。」
菅原美貴が梨花のそばに寄って聞いている。
「え、そ、そうだったかな。」
ごまかそうとする。
「そんなのごまかしても遅いよ?」
浅野恵麻が言う。
「なんで?」
「だって、昨日SNSにおんぶされてますって
動画配信流れていたよ。」
「…嘘。」
「デジタルタトゥーはすぐには消えないよ?」
梨花は急に恥ずかしくなった。
「あとで、教室戻ったらスマホで確認しよう。
おんぶのことだけどさ。2人付き合ってるの?」
「違う違う。全然。」
「あれ、幼馴染じゃなかっけ。」
「そうだけど、お互いに大人になってきたからね。
幼い頃とは違うよ。」
「そう言いながら、おんぶされるってどういうこと?
説明してよ、梨花。」
汗が止まらない。
「そこの3人。何してるの?授業中ですよ。」
「すいません。」
3人同時に謝った。
バスケットの試合が始まった。
ボールが床に弾んで、ダムダムと音が響いていた。
ポカポカと日差しが教室の中に
入ってくる。
梨花はできたばかりの友達と机を合わせて
談笑していた。
浅野恵麻と菅原美貴と3人で食べるお弁当は
おいしかった。
時々、卵焼きを交換して味比べをした。
甘いのがいいか塩っけが多い方がいいかで
討論会が始まる。
結局のところ、どっちでもいいで
話は終わる。食べられればいいらしい。
笑いながら話してるのを、
同じクラスの朔斗は隣の席の松岡広大と一緒に
スマホゲームの話をしながら、チラッと梨花の様子を
伺っていた。
「なあ、朔斗。
梨花って名前だっけ。」
「え?」
「チラッて今見たやつ。」
「見てねぇよ。
壁にかかってるカレンダー見てたから。」
「あ、そう。そう来ますか。
んじゃ、俺がその子好きだなぁって言っても
気にしないのね。」
「は?!マジ?」
「おーーーいい反応。」
「え?」
「嘘に決まってるだろ。
カマかけただけだ。」
「嘘ついたな。広大。」
「そうだよ。悪いか。
俺と話するのにチラチラ向こう見てるからだよ。
ヤキモチ妬いちゃうぞ。」
広大は冗談っぽく、朔斗の腕をパンチした。
「違うって言ってんだろ。
あんなのミミックだわ。」
「???」
「宝箱?」
「食われるってこと。バクっと。」
「お前、ゲームのしすぎだよ。」
「お前に言われたくないわ。」
男友達はあまり作らない主義の
朔斗は、広大だけには多少心を開いていた。
遠くで梨花も朔斗の様子を見て、
友達いるんだと感心していた。
梨花の前では全然言葉少ないのに、
広大の前では普通に話す。
表裏のある性格なのかもしれない。
本当の自分を隠したいが、
時々どれが本物だったかわからなく朔斗だった。
****
体育の時間。
これからバスケをすると言う時、
女子は4列にならんで、
チームを決めることになっていた。
3人は運がいいことに一緒のチームだった。
「ねぇ、そういやさ。
梨花、昨日、朔斗くんと
一緒に帰ってたでしょう。」
菅原美貴が梨花のそばに寄って聞いている。
「え、そ、そうだったかな。」
ごまかそうとする。
「そんなのごまかしても遅いよ?」
浅野恵麻が言う。
「なんで?」
「だって、昨日SNSにおんぶされてますって
動画配信流れていたよ。」
「…嘘。」
「デジタルタトゥーはすぐには消えないよ?」
梨花は急に恥ずかしくなった。
「あとで、教室戻ったらスマホで確認しよう。
おんぶのことだけどさ。2人付き合ってるの?」
「違う違う。全然。」
「あれ、幼馴染じゃなかっけ。」
「そうだけど、お互いに大人になってきたからね。
幼い頃とは違うよ。」
「そう言いながら、おんぶされるってどういうこと?
説明してよ、梨花。」
汗が止まらない。
「そこの3人。何してるの?授業中ですよ。」
「すいません。」
3人同時に謝った。
バスケットの試合が始まった。
ボールが床に弾んで、ダムダムと音が響いていた。