好きって言わなくても分かるでしょ
第7話 猫の飼い主
朔斗が隣町の公園で拾った猫を
自宅に持ち帰ってきて、3日は経った。
前まで接点が少なかったはずの
朝の登校時間。
お互いに玄関のドアを開けた瞬間から
おはようの挨拶だけじゃなく、
猫のミャーゴの話題で盛り上がるようになった。
自然と駅までの距離を隣同士あるくようになるし、
あんなに話さなかった時間が嘘のようだった。
けども、話の内容は、
猫の話だけで特に進展はしない。
教室に入ったら、他人のよう。
会話もしなければ近づくこともない。
朔斗は目を合わすこともしない。
朝の自宅から電車の中だけは幼馴染だなと
実感できた。
学校というフィールドに入っただけで別人になる。
「梨花、おはよう!
その後、猫ちゃんはどうなった?」
恵麻が、梨花に話しかけた。
梨花は、ニコニコしながら、
朔斗が飼い始めた猫について話し始める。
名前はミャーゴにしたこと。
キャットタワーがなぜか朔斗の家に
あったことを教えた。
美貴は猫そのものを見てなかったため、
どんな猫かものすごく気になった。
「ねぇ、どんな猫か写真とか無いの?」
「えー、でも朔斗の家の中も写ってるけど、
大丈夫かな?」
梨花は、スマホの写真アルバムに入っている
ミャーゴの何十枚の写真を2人に見せた。
「え? ん?
梨花、ちょっと待って。
私たち、聞き逃してはいけないことを
聞き逃してる気がするよ。」
美貴がスマホの前に手のひらを置く。
恵麻も激しく頷いた。
「そうだよ。
朔斗くんの家の中ってどういうこと?!」
「そうだよ。
なんで、自然の流れでそうなってるの?」
2人の発言に目を丸くして驚いて、
慌てて、口を塞いだが手遅れだった。
クラスメイトたちは、2人の言葉に
ざわついている。
「いやいや、冗談ですよぉ!
うそ、うそ。
ねえー。2人ともぉ。」
2人を猫のように首根っこをつかんで、
急いで、トイレに連れ出した。
3人が通ったあとは、風が吹いていた。
「ちょっと、ちょっと。
朝の忙しい時にその話しちゃうの?!」
「2人が聞くから、ベラベラ話しちゃったじゃん。」
「もうすぐチャイム鳴るヨォ。
どうすんの?」
トイレの洗面台の前で3人は慌てていた。
「もう、こうなったら、
保健室行こう。
具合悪いって。」
「今から?3人で?
仮病だって、バレるっしょ。」
「んじゃ、もうサボって、屋上行っちゃおう。」
「この時間から?」
「そういう時もあっていいでしょう。
学校という時間は今しかないんだから。」
「美貴って人生何回目?」
「そんなの知らないわよ。
ほら、ほら。
行こう。静かにね。」
3人はHRが始まろうとしているにも
関わらず、トイレの近くの階段を忍者のように
のぼり始めた。
教室では担任の先生が
出席簿を持って、教壇に立っていた。
先生に梨花と恵麻と美貴の名前が呼ばれると、
朔斗は3人がいないことに
疑問符を浮かべる。
机にはしっかりとバックがかかっていた。
窓の外を眺めて、頬つえをつく。
(逃げ出したな、あいつら。)
外は雲行きが怪しく、
今にも雨が降りそうだった。
自宅に持ち帰ってきて、3日は経った。
前まで接点が少なかったはずの
朝の登校時間。
お互いに玄関のドアを開けた瞬間から
おはようの挨拶だけじゃなく、
猫のミャーゴの話題で盛り上がるようになった。
自然と駅までの距離を隣同士あるくようになるし、
あんなに話さなかった時間が嘘のようだった。
けども、話の内容は、
猫の話だけで特に進展はしない。
教室に入ったら、他人のよう。
会話もしなければ近づくこともない。
朔斗は目を合わすこともしない。
朝の自宅から電車の中だけは幼馴染だなと
実感できた。
学校というフィールドに入っただけで別人になる。
「梨花、おはよう!
その後、猫ちゃんはどうなった?」
恵麻が、梨花に話しかけた。
梨花は、ニコニコしながら、
朔斗が飼い始めた猫について話し始める。
名前はミャーゴにしたこと。
キャットタワーがなぜか朔斗の家に
あったことを教えた。
美貴は猫そのものを見てなかったため、
どんな猫かものすごく気になった。
「ねぇ、どんな猫か写真とか無いの?」
「えー、でも朔斗の家の中も写ってるけど、
大丈夫かな?」
梨花は、スマホの写真アルバムに入っている
ミャーゴの何十枚の写真を2人に見せた。
「え? ん?
梨花、ちょっと待って。
私たち、聞き逃してはいけないことを
聞き逃してる気がするよ。」
美貴がスマホの前に手のひらを置く。
恵麻も激しく頷いた。
「そうだよ。
朔斗くんの家の中ってどういうこと?!」
「そうだよ。
なんで、自然の流れでそうなってるの?」
2人の発言に目を丸くして驚いて、
慌てて、口を塞いだが手遅れだった。
クラスメイトたちは、2人の言葉に
ざわついている。
「いやいや、冗談ですよぉ!
うそ、うそ。
ねえー。2人ともぉ。」
2人を猫のように首根っこをつかんで、
急いで、トイレに連れ出した。
3人が通ったあとは、風が吹いていた。
「ちょっと、ちょっと。
朝の忙しい時にその話しちゃうの?!」
「2人が聞くから、ベラベラ話しちゃったじゃん。」
「もうすぐチャイム鳴るヨォ。
どうすんの?」
トイレの洗面台の前で3人は慌てていた。
「もう、こうなったら、
保健室行こう。
具合悪いって。」
「今から?3人で?
仮病だって、バレるっしょ。」
「んじゃ、もうサボって、屋上行っちゃおう。」
「この時間から?」
「そういう時もあっていいでしょう。
学校という時間は今しかないんだから。」
「美貴って人生何回目?」
「そんなの知らないわよ。
ほら、ほら。
行こう。静かにね。」
3人はHRが始まろうとしているにも
関わらず、トイレの近くの階段を忍者のように
のぼり始めた。
教室では担任の先生が
出席簿を持って、教壇に立っていた。
先生に梨花と恵麻と美貴の名前が呼ばれると、
朔斗は3人がいないことに
疑問符を浮かべる。
机にはしっかりとバックがかかっていた。
窓の外を眺めて、頬つえをつく。
(逃げ出したな、あいつら。)
外は雲行きが怪しく、
今にも雨が降りそうだった。