好きって言わなくても分かるでしょ
第8話 友情の絆 恋の迷い
「うわ、屋上、めっちゃ風強いんですけど…。」
校舎のてっぺんでカザミドリが激しく揺さぶっていた。梨花と美貴と恵麻は、スカートを抑えながら、屋上のベンチにとりあえず座ったが、あまりにも風が強く、冷たくて、耐えられなかった。
「やっぱ、中入ろうよ。
ダメだ、風強くて話も聞けないや。」
3人は、恵麻を先頭にして
屋上から階段の踊り場へ移動した。
バタンとドアを閉めた。
「ふう。髪がものすごく乱れたね。」
美貴は、髪を整えた。
恵麻と梨花も同じように整えた。
梨花にいたっては、ポケットに入れていた
丸い手鏡でチェックしていた。
「ちょ、私にも貸して。
前髪気になる。」
「え、次、私も。」
「うん、いいよ。」
3人は小さな鏡に顔をうつして、髪型の確認した。
「というか、授業をこんなふうに
サボるの初めてなんだけど!」
「なんか、ドキドキするよね。」
「悪いことしてるから?」
「誰にも見つからない?」
美貴は階段の下の方を覗くが誰もいなかった。
「誰もいないからって、声は小さい声で話そうよ。」
「そうだね。とりあえず、ここに座ろう。」
恵麻は階段をベンチかわりに座った。
梨花も美貴も同じようにスカートをおさえながら
座る。
「でー?聞きましょうか。
梨花の話。朔斗くんとのこと。」
「えー、でも猫のことしか話してないから
別に進展も何も。」
「だって、さっき朔斗くんの家に行ったって。」
「そりゃ、幼馴染みだし隣同士の家だから
まぁ、高校になってから初めて行ったけど。
久しぶりだったかな。
小学校以来だから4年ぶり。」
「ほらぁ、絶対、変じゃん。
ぜんぜん行ってないのに、急にいいよって。」
「確かに。本当に朔斗くんと何もないの?」
「…部屋に案内されて、
猫のミャーゴを抱っこさせて
もらったかな。あと写真撮ったくらい。
ただそれだけ。」
梨花はあごに指をつけて、
朔斗にミャーゴを抱っこさせてくれた時を
思い出した。
恵麻と美貴はその話を聞いて、
進展はあるじゃないかと疑う。
「今まで、学校で会話なかったのに
それって…。」
「梨花のこと好きなんじゃないの?
朔斗くん。」
「嘘だ。まさか。ありえないよ。
だって、学校では一切話さないし、
挨拶しても無視、目が合ったら、睨みきかせて
鬼のようになるんだよ。
私のことなんて、好きじゃないよ。
絶対。」
「……そうなの?」
「表裏があるのかな。」
「だから、違うよぉ。
恋愛対象じゃないって、私。
好きな子睨まないって。」
梨花は自信が全くない。
美貴と恵麻は、それでも朔斗を疑う。
「態度が学校でそれなだけで、
猫をダシに梨花を誘ったんじゃないの?」
「だ、ダシ?!
鰹節のこと?猫だけに?」
梨花は目を丸くして驚いた。
「猫がいるよぉって誘えば、
梨花が来てくれるのわかってて
釣りをしたんじゃないかと思うわ、私。」
美貴が言う。
朔斗がまさかそんなことするわけないと
梨花は考えたが、不安は残った。
「試しに断ってみたら?」
恵麻が言う。
「断るの?
かわいそうじゃん。」
「朔斗くんに同情?」
「猫がかわいそう。
私に会えなくて…。」
「そういうことじゃなくてね。
梨花…。」
梨花は、猫のミャーゴに溺愛のようだ。
まんまと朔斗の罠にひっかかったみたいだ。
「とにかく、様子を知りたいから。
次、誘われたら、私たちと電話するから
無理って言って断って!!」
「えーー、ミャーゴに会っちゃいけないの?」
「そう、禁止!!」
「チェ・・・。」
舌打ちをする梨花。
恵麻と美貴は梨花の頬を双方でもちのように
ぎゅーーと伸ばした。
「あんたねぇ。
友達とミャーゴどっちを取るのかな?」
「あ・・・す、ずみませんでした。
友達が第一優先です。」
「ですよね。
朔斗くんの様子が気になるから。
なおさら、報告忘れないで。」
赤くなった頬を撫でながら、
梨花はブツブツと何かを言う。
「それはいいんだけど、
それって、2人が朔斗のことを
気になってるだけで、
私、全然気にしてないけど?」
「んじゃ、このまま過ごしてて、
朔斗くんに彼女できてもいいの?」
「…え!?」
「猫のミャーゴに会えなくなるぞ。」
「え!?それは困る。」
「じゃぁ、朔斗くんの本音を探るために
がんばろうね。」
「う、うん。わかった。
ミャーゴのためにがんばる。」
「いや、あんた、がんばるところ違うから。」
恵麻の平手ツッコミが入る。
美貴は呆れて、両手のひらをあげた。
ガッツポーズを作る梨花がいた。
その頃、教室の朔斗は
大きなくしゃみをしていた。
鼻をずずっとすすった。
校舎のてっぺんでカザミドリが激しく揺さぶっていた。梨花と美貴と恵麻は、スカートを抑えながら、屋上のベンチにとりあえず座ったが、あまりにも風が強く、冷たくて、耐えられなかった。
「やっぱ、中入ろうよ。
ダメだ、風強くて話も聞けないや。」
3人は、恵麻を先頭にして
屋上から階段の踊り場へ移動した。
バタンとドアを閉めた。
「ふう。髪がものすごく乱れたね。」
美貴は、髪を整えた。
恵麻と梨花も同じように整えた。
梨花にいたっては、ポケットに入れていた
丸い手鏡でチェックしていた。
「ちょ、私にも貸して。
前髪気になる。」
「え、次、私も。」
「うん、いいよ。」
3人は小さな鏡に顔をうつして、髪型の確認した。
「というか、授業をこんなふうに
サボるの初めてなんだけど!」
「なんか、ドキドキするよね。」
「悪いことしてるから?」
「誰にも見つからない?」
美貴は階段の下の方を覗くが誰もいなかった。
「誰もいないからって、声は小さい声で話そうよ。」
「そうだね。とりあえず、ここに座ろう。」
恵麻は階段をベンチかわりに座った。
梨花も美貴も同じようにスカートをおさえながら
座る。
「でー?聞きましょうか。
梨花の話。朔斗くんとのこと。」
「えー、でも猫のことしか話してないから
別に進展も何も。」
「だって、さっき朔斗くんの家に行ったって。」
「そりゃ、幼馴染みだし隣同士の家だから
まぁ、高校になってから初めて行ったけど。
久しぶりだったかな。
小学校以来だから4年ぶり。」
「ほらぁ、絶対、変じゃん。
ぜんぜん行ってないのに、急にいいよって。」
「確かに。本当に朔斗くんと何もないの?」
「…部屋に案内されて、
猫のミャーゴを抱っこさせて
もらったかな。あと写真撮ったくらい。
ただそれだけ。」
梨花はあごに指をつけて、
朔斗にミャーゴを抱っこさせてくれた時を
思い出した。
恵麻と美貴はその話を聞いて、
進展はあるじゃないかと疑う。
「今まで、学校で会話なかったのに
それって…。」
「梨花のこと好きなんじゃないの?
朔斗くん。」
「嘘だ。まさか。ありえないよ。
だって、学校では一切話さないし、
挨拶しても無視、目が合ったら、睨みきかせて
鬼のようになるんだよ。
私のことなんて、好きじゃないよ。
絶対。」
「……そうなの?」
「表裏があるのかな。」
「だから、違うよぉ。
恋愛対象じゃないって、私。
好きな子睨まないって。」
梨花は自信が全くない。
美貴と恵麻は、それでも朔斗を疑う。
「態度が学校でそれなだけで、
猫をダシに梨花を誘ったんじゃないの?」
「だ、ダシ?!
鰹節のこと?猫だけに?」
梨花は目を丸くして驚いた。
「猫がいるよぉって誘えば、
梨花が来てくれるのわかってて
釣りをしたんじゃないかと思うわ、私。」
美貴が言う。
朔斗がまさかそんなことするわけないと
梨花は考えたが、不安は残った。
「試しに断ってみたら?」
恵麻が言う。
「断るの?
かわいそうじゃん。」
「朔斗くんに同情?」
「猫がかわいそう。
私に会えなくて…。」
「そういうことじゃなくてね。
梨花…。」
梨花は、猫のミャーゴに溺愛のようだ。
まんまと朔斗の罠にひっかかったみたいだ。
「とにかく、様子を知りたいから。
次、誘われたら、私たちと電話するから
無理って言って断って!!」
「えーー、ミャーゴに会っちゃいけないの?」
「そう、禁止!!」
「チェ・・・。」
舌打ちをする梨花。
恵麻と美貴は梨花の頬を双方でもちのように
ぎゅーーと伸ばした。
「あんたねぇ。
友達とミャーゴどっちを取るのかな?」
「あ・・・す、ずみませんでした。
友達が第一優先です。」
「ですよね。
朔斗くんの様子が気になるから。
なおさら、報告忘れないで。」
赤くなった頬を撫でながら、
梨花はブツブツと何かを言う。
「それはいいんだけど、
それって、2人が朔斗のことを
気になってるだけで、
私、全然気にしてないけど?」
「んじゃ、このまま過ごしてて、
朔斗くんに彼女できてもいいの?」
「…え!?」
「猫のミャーゴに会えなくなるぞ。」
「え!?それは困る。」
「じゃぁ、朔斗くんの本音を探るために
がんばろうね。」
「う、うん。わかった。
ミャーゴのためにがんばる。」
「いや、あんた、がんばるところ違うから。」
恵麻の平手ツッコミが入る。
美貴は呆れて、両手のひらをあげた。
ガッツポーズを作る梨花がいた。
その頃、教室の朔斗は
大きなくしゃみをしていた。
鼻をずずっとすすった。