幸せの欠片たち。
昔から、誰よりもキラキラと輝き、頭の回転が早くて、器用な彼は私の憧れだった。
年は一つしか違えど、しっかりしていて、頼りになる優しい存在。
何時も一緒にいてくれて、母子家庭だからと誰かに苛められた時も、お母さんと喧嘩をした時も、静かに泣く場所を探して、公園の隅っこで体育座りをしながら、一人涙を堪えていると一番先に見付けてくれるのが、彼…詠太郎こと、えいちゃんで。
その憧れが何時しか淡い恋心に染まるまで、そう時間は掛からなかったのだ。
だから、何としても彼の隣にいたくて、勉強も頑張って同じ中学に入って、頭の良い彼に追い付く為に、必死で塾に通い同じ高校に入って…日に三回も四回も…暇さえあれば彼に、「好き」だと伝えて来た。
最初は驚いて目を真ん丸にしていた彼だけど、二回目はくしゃくしゃと私の髪を撫でて、
「分かったよ、ありがとな」
と、微笑んでくれたんだ。
勿論、それだけでこの想いが報われるとは思っていなかったから、事あるごとに「好き」を口にするようになり、特にバレンタインデーは他の誰よりも気合を入れて頑張った。
その時ばかりは…『好き』は封印しなければならなかったけれど。
でも、それも全て無駄だったのだと知る日が、ある日突然やって来たのだ。
年は一つしか違えど、しっかりしていて、頼りになる優しい存在。
何時も一緒にいてくれて、母子家庭だからと誰かに苛められた時も、お母さんと喧嘩をした時も、静かに泣く場所を探して、公園の隅っこで体育座りをしながら、一人涙を堪えていると一番先に見付けてくれるのが、彼…詠太郎こと、えいちゃんで。
その憧れが何時しか淡い恋心に染まるまで、そう時間は掛からなかったのだ。
だから、何としても彼の隣にいたくて、勉強も頑張って同じ中学に入って、頭の良い彼に追い付く為に、必死で塾に通い同じ高校に入って…日に三回も四回も…暇さえあれば彼に、「好き」だと伝えて来た。
最初は驚いて目を真ん丸にしていた彼だけど、二回目はくしゃくしゃと私の髪を撫でて、
「分かったよ、ありがとな」
と、微笑んでくれたんだ。
勿論、それだけでこの想いが報われるとは思っていなかったから、事あるごとに「好き」を口にするようになり、特にバレンタインデーは他の誰よりも気合を入れて頑張った。
その時ばかりは…『好き』は封印しなければならなかったけれど。
でも、それも全て無駄だったのだと知る日が、ある日突然やって来たのだ。