エンドレス・ラプソディ
「うらあー! ぶっ殺してやる!」
勢いよく扉を開けて黒いオーバーを着た、三十代くらいの男が入ってきた。その手には銀色に輝く金属が握られている。
また強盗か!? そう思ったのもつかの間、よく見ると刃物とは言い難い代物が目に入る。
取っ手の先にあるのは、平たい金属ではなく、三十センチほどの細長い円柱形の金属だ。
まさか、あれはもしや──シャープナー……? プロが使うような、包丁を研ぐやつだ。うそだろ。どうやったら間違えるんだよ。
それに気がついた俺以外の数人が肩をふるわせている。
だめだ。ここで笑えば、男をさらに怒らせて面倒なことになる。みんな、こらえるんだ。
「マサトってやつはいるか!?」
シャープナーをゆっくりと一人一人に指しながら、訪ねていく。自分の視界にもシャープナーが入っているはずなのに、どうしてまだ気がつかないんだこいつ。
「マサトは俺だけど」
全裸の青年が肩まで手を挙げて答える。細めだが薄い筋肉質の体型──いわゆる細マッチョというやつだ。
「おまえ! よくもおれの妻に手を出したな!?」
「は?」
人差し指を突きつけられた男は片目を眇め、眉間にしわを寄せた。
勢いよく扉を開けて黒いオーバーを着た、三十代くらいの男が入ってきた。その手には銀色に輝く金属が握られている。
また強盗か!? そう思ったのもつかの間、よく見ると刃物とは言い難い代物が目に入る。
取っ手の先にあるのは、平たい金属ではなく、三十センチほどの細長い円柱形の金属だ。
まさか、あれはもしや──シャープナー……? プロが使うような、包丁を研ぐやつだ。うそだろ。どうやったら間違えるんだよ。
それに気がついた俺以外の数人が肩をふるわせている。
だめだ。ここで笑えば、男をさらに怒らせて面倒なことになる。みんな、こらえるんだ。
「マサトってやつはいるか!?」
シャープナーをゆっくりと一人一人に指しながら、訪ねていく。自分の視界にもシャープナーが入っているはずなのに、どうしてまだ気がつかないんだこいつ。
「マサトは俺だけど」
全裸の青年が肩まで手を挙げて答える。細めだが薄い筋肉質の体型──いわゆる細マッチョというやつだ。
「おまえ! よくもおれの妻に手を出したな!?」
「は?」
人差し指を突きつけられた男は片目を眇め、眉間にしわを寄せた。