ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
(三嶋さん・・・。)
その声の方を見た凪咲の目に飛び込んで来たのは、常務秘書の三嶋理沙が、来客2人と共に、ブースに近付いて来る姿だった。それを見て、受付嬢3人はさっと立ち上がる。
「お客様のお帰りです、手続きをお願いします。」
「かしこまりました。」
理沙の言葉に応えた貴恵は、彼女に負けない流暢な英語で、来客と話し始める。凪咲と千晶は英語が出来ないから、2人は横で彼女たちのやりとりを黙って見守るしかない。やがて、諸手続きを終えた来客が
「Thank you。」
と笑顔で言うと
「Please take care and go home(お気をつけて、お帰り下さい)。」
貴恵も笑顔で答え、一礼すると、横の2人も慌てて倣う。
「Well then, please come here(こちらへどうぞ)。」
理沙の言葉に頷いた来客は、彼女の先導で出口へ向かう。そして、最後に挨拶を交わして、彼らは出て行き、それを理沙は深々と一礼して送り出した。彼らの姿が見えなくなるまで見送ったあと、踵を返した理沙は、そのままブースに近寄って来た。
「貴恵、ありがとう。」
「いえ。お疲れ様でした、理沙さん。」
貴恵のねぎらいの言葉に、ニコリと微笑んで見せた理沙は、今度は千晶に視線を向けた。
「どう、慣れて来た?」
「なんとか・・・。」
と答えかけた千晶の言葉を遮るように
「まだまだ受付嬢としての自覚が足りません。」
貴恵が厳しい口調で言う。
(うわぁ、厳しい・・・。)
横で凪咲が思っていると
「貴恵の目から見たら、誰だってみんな物足りないよ。私も最初は厳しく指導されたもの。」
と言って笑った理沙に
「私、理沙さんに対して、そんなに厳しく言った覚えは・・・。」
困惑した表情を浮かべて、貴恵は答える。
「確かに入社は私の方が1年先輩だし、まぁ上司でもあったんだけど、受付嬢としては貴恵の方が先輩だったからね。いろいろ参考にさせてもらったよ。だから、千晶も貴恵に着いて行けば、絶対にいい受付嬢になれる。ね、菱見さん。」
「はい。」
理沙の言葉に、凪咲が頷いたところで、来客が現れた。
その声の方を見た凪咲の目に飛び込んで来たのは、常務秘書の三嶋理沙が、来客2人と共に、ブースに近付いて来る姿だった。それを見て、受付嬢3人はさっと立ち上がる。
「お客様のお帰りです、手続きをお願いします。」
「かしこまりました。」
理沙の言葉に応えた貴恵は、彼女に負けない流暢な英語で、来客と話し始める。凪咲と千晶は英語が出来ないから、2人は横で彼女たちのやりとりを黙って見守るしかない。やがて、諸手続きを終えた来客が
「Thank you。」
と笑顔で言うと
「Please take care and go home(お気をつけて、お帰り下さい)。」
貴恵も笑顔で答え、一礼すると、横の2人も慌てて倣う。
「Well then, please come here(こちらへどうぞ)。」
理沙の言葉に頷いた来客は、彼女の先導で出口へ向かう。そして、最後に挨拶を交わして、彼らは出て行き、それを理沙は深々と一礼して送り出した。彼らの姿が見えなくなるまで見送ったあと、踵を返した理沙は、そのままブースに近寄って来た。
「貴恵、ありがとう。」
「いえ。お疲れ様でした、理沙さん。」
貴恵のねぎらいの言葉に、ニコリと微笑んで見せた理沙は、今度は千晶に視線を向けた。
「どう、慣れて来た?」
「なんとか・・・。」
と答えかけた千晶の言葉を遮るように
「まだまだ受付嬢としての自覚が足りません。」
貴恵が厳しい口調で言う。
(うわぁ、厳しい・・・。)
横で凪咲が思っていると
「貴恵の目から見たら、誰だってみんな物足りないよ。私も最初は厳しく指導されたもの。」
と言って笑った理沙に
「私、理沙さんに対して、そんなに厳しく言った覚えは・・・。」
困惑した表情を浮かべて、貴恵は答える。
「確かに入社は私の方が1年先輩だし、まぁ上司でもあったんだけど、受付嬢としては貴恵の方が先輩だったからね。いろいろ参考にさせてもらったよ。だから、千晶も貴恵に着いて行けば、絶対にいい受付嬢になれる。ね、菱見さん。」
「はい。」
理沙の言葉に、凪咲が頷いたところで、来客が現れた。