ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「お疲れ様でした。営業視察はいかがでしたか?」
ブ-スでは唯一の裕シンパの千晶がにこやかに迎えると
「いやぁ、僕は営業はさっぱりなんでね。早川くんたちが頑張ってるのを見て、感心しきりだったよ。」
裕は「ジュニアスマイル」全開で答える。
「そんな、恐縮です。」
照れる早川に
「さすがですね、早川さん。」
千晶はおだてるように言う。この時、貴恵は席を外しており、この状況にひとり、なんとも居心地の悪い思いをしながら、凪咲が黙っていると
「なぁ、千晶ちゃんはいつも、明るく迎えてくれるけど、それに引き換え凪咲は、懇親会には来ないし、日に日に俺に冷たくなるよな。」
裕が凪咲に矛先を向けて来た。
「懇親会は、私は派遣だから遠慮しただけですし、別にそんなこと、ないつもりですが・・・。」
固い表情のまま、目を合わさずに答える凪咲に
「だいたい、俺たち一緒に暮らしてた仲じゃないか。なんで、そんな他人行儀なんだよ?」
そんなことを言って、ニヤリと笑う裕。これには、飛び上がりそうになった凪咲は
「な、なに言い出すのよ、いきなり。」
思わず、タメ口で言ってしまうが
「ということで、まぁよろしくお願いしますよ。じゃ。」
と言い残して、裕はさっさとエレベ-タ-に向かって歩いて行く。
「ちょ、ちょっと・・・。」
動揺が隠せない凪咲に
「えっ、凪咲さん、ジュニアと同棲されてたんですか?」
「菱見さん、それホントなの?」
当然、千晶や早川が勢い込むように問い質して来る。その声に、彼らの方を向いた凪咲は
「ごめんなさい、今は何も言えません。仕事中ですから。」
気を取り直して、それだけ言うと、パソコンに向かう。その言葉を受けて、取り敢えず早川はこの場を離れて行ったが、残った2人の間には、なんとも気まずい空気が流れる。
(なんで今更、あんなこと言い出したのよ、裕は・・・。)
凪咲が内心で頭を抱えていると
「どうかしたの?」
戻って来た貴恵が、その微妙な空気に気付いて尋ねると
「チ-フ、実は・・・。」
勢い込んで、話し出そうとする千晶を
「いえ、何でもありません。」
制するように凪咲は言う。
「そう、ならいいけど。」
2人の顔を眺めたあと、貴恵は、そう言って席に着いた。
ブ-スでは唯一の裕シンパの千晶がにこやかに迎えると
「いやぁ、僕は営業はさっぱりなんでね。早川くんたちが頑張ってるのを見て、感心しきりだったよ。」
裕は「ジュニアスマイル」全開で答える。
「そんな、恐縮です。」
照れる早川に
「さすがですね、早川さん。」
千晶はおだてるように言う。この時、貴恵は席を外しており、この状況にひとり、なんとも居心地の悪い思いをしながら、凪咲が黙っていると
「なぁ、千晶ちゃんはいつも、明るく迎えてくれるけど、それに引き換え凪咲は、懇親会には来ないし、日に日に俺に冷たくなるよな。」
裕が凪咲に矛先を向けて来た。
「懇親会は、私は派遣だから遠慮しただけですし、別にそんなこと、ないつもりですが・・・。」
固い表情のまま、目を合わさずに答える凪咲に
「だいたい、俺たち一緒に暮らしてた仲じゃないか。なんで、そんな他人行儀なんだよ?」
そんなことを言って、ニヤリと笑う裕。これには、飛び上がりそうになった凪咲は
「な、なに言い出すのよ、いきなり。」
思わず、タメ口で言ってしまうが
「ということで、まぁよろしくお願いしますよ。じゃ。」
と言い残して、裕はさっさとエレベ-タ-に向かって歩いて行く。
「ちょ、ちょっと・・・。」
動揺が隠せない凪咲に
「えっ、凪咲さん、ジュニアと同棲されてたんですか?」
「菱見さん、それホントなの?」
当然、千晶や早川が勢い込むように問い質して来る。その声に、彼らの方を向いた凪咲は
「ごめんなさい、今は何も言えません。仕事中ですから。」
気を取り直して、それだけ言うと、パソコンに向かう。その言葉を受けて、取り敢えず早川はこの場を離れて行ったが、残った2人の間には、なんとも気まずい空気が流れる。
(なんで今更、あんなこと言い出したのよ、裕は・・・。)
凪咲が内心で頭を抱えていると
「どうかしたの?」
戻って来た貴恵が、その微妙な空気に気付いて尋ねると
「チ-フ、実は・・・。」
勢い込んで、話し出そうとする千晶を
「いえ、何でもありません。」
制するように凪咲は言う。
「そう、ならいいけど。」
2人の顔を眺めたあと、貴恵は、そう言って席に着いた。