ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
やがて、料理が運ばれて来て、ふたりはフォークとナイフを手にする。そして
「美味しいなぁ。こんなおしゃれな料理、地元じゃ、なかなか食べられないからね。僕も、時間を作って、もっと都会に出て来ないと。どんどん置いてかれちゃうな。」
そんなことを言い出した廣田に
「でも地元には地元の良さがあるでしょ?都会からのお客様は、むしろそういうものに癒しや楽しみを求めてるんじゃないのかな?」
凪咲は言う。
「非日常を楽しむのが、旅の醍醐味であることは、今も昔も変わらないからね。でもその中でも、時代に合わせて少しずつ変化して行かないと・・・口で言うほど簡単じゃないんだけど、でも絶対に必要だと思う。」
「そうだね・・・。」
熱く語る廣田を見ながら
(裕もせめて、廣田くんの半分でいいから、仕事に情熱持ってくれればいいのに・・・。)
ふとそんな思いが、凪咲の胸にこみ上げて来たが
(ダメダメ。せっかく廣田くんと会ってるのに、なんで裕のことなんか、考えてるの?私・・・。)
と慌てて、それを振り払う。
その後、話も弾み、時間は瞬く間に過ぎて行った。気が付けば、そろそろ店を出ないと、廣田が終電に間に合わなくなる時間になっていて、ふたりは慌てて、席を立った。
「ごめんね、つい長話しちゃって。」
「いや、僕の方こそ、楽しくて、すっかり時間を忘れてしまったよ。」
「そう、ならよかったけど。」
駅に向かう間に、そんな会話を交わしたふたりは、改札口を通り、駅構内に入った。
「大丈夫?間に合いそう?」
「うん、大丈夫。今日は突然押しかけたのに、時間を作ってくれて、どうもありがとう。」
「ううん、私も楽しかった。じゃ、気を付けてね。」
「ありがとう。」
そう言って、一瞬見つめ合ったふたり。すると
「菱見さん。」
表情を改めた廣田が、凪咲を見る。
「実は・・・今日、打ち合わせがあったのはウソじゃないけど、こっちでやろうって言ったのは、僕の方だったんだ。」
「えっ?」
「僕の今日の本当の目的は、君に会いに来ることだったんだ。少しは僕のこと考えてくれたかなって、催促する為に。」
「廣田くん・・・。」
「美味しいなぁ。こんなおしゃれな料理、地元じゃ、なかなか食べられないからね。僕も、時間を作って、もっと都会に出て来ないと。どんどん置いてかれちゃうな。」
そんなことを言い出した廣田に
「でも地元には地元の良さがあるでしょ?都会からのお客様は、むしろそういうものに癒しや楽しみを求めてるんじゃないのかな?」
凪咲は言う。
「非日常を楽しむのが、旅の醍醐味であることは、今も昔も変わらないからね。でもその中でも、時代に合わせて少しずつ変化して行かないと・・・口で言うほど簡単じゃないんだけど、でも絶対に必要だと思う。」
「そうだね・・・。」
熱く語る廣田を見ながら
(裕もせめて、廣田くんの半分でいいから、仕事に情熱持ってくれればいいのに・・・。)
ふとそんな思いが、凪咲の胸にこみ上げて来たが
(ダメダメ。せっかく廣田くんと会ってるのに、なんで裕のことなんか、考えてるの?私・・・。)
と慌てて、それを振り払う。
その後、話も弾み、時間は瞬く間に過ぎて行った。気が付けば、そろそろ店を出ないと、廣田が終電に間に合わなくなる時間になっていて、ふたりは慌てて、席を立った。
「ごめんね、つい長話しちゃって。」
「いや、僕の方こそ、楽しくて、すっかり時間を忘れてしまったよ。」
「そう、ならよかったけど。」
駅に向かう間に、そんな会話を交わしたふたりは、改札口を通り、駅構内に入った。
「大丈夫?間に合いそう?」
「うん、大丈夫。今日は突然押しかけたのに、時間を作ってくれて、どうもありがとう。」
「ううん、私も楽しかった。じゃ、気を付けてね。」
「ありがとう。」
そう言って、一瞬見つめ合ったふたり。すると
「菱見さん。」
表情を改めた廣田が、凪咲を見る。
「実は・・・今日、打ち合わせがあったのはウソじゃないけど、こっちでやろうって言ったのは、僕の方だったんだ。」
「えっ?」
「僕の今日の本当の目的は、君に会いに来ることだったんだ。少しは僕のこと考えてくれたかなって、催促する為に。」
「廣田くん・・・。」