ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「とにかく、業務上のことについては、前任者として、精一杯フォロ-するから、安心して。でも、それ以外のことは・・・あなたが、あなたたち自身が考えることだから、ね。」
そう言って、笑顔を向けて来た理沙に、少し躊躇ったあと、凪咲は微かに頷いて見せた。
そうこうしてるうちに、時間はあっという間に過ぎて行き、凪咲がブ-スを離れる日がやって来た。最後の終礼が、つつがなく終わり
「これまでありがとうございました。」
凪咲が頭を下げると
「お疲れ様でした、菱見さん。」
笑顔で応えた貴恵だったが、すぐにその笑顔を消すと
「今更だけど・・・菱見さん、ごめんね。」
「桜内さん・・・。」
「あなたがここに来た時、あんなにきつく当たった私を、内心はわからないけど嫌いもせず、助けてくれて。その上、今回は私の代わりに望まない異動まで受け入れてくれて・・・感謝してる。」
と言って、頭を下げた。
「いえ。桜内さんとは同い年でしたけど、仕事に対するプロ意識の高さには、本当に教えられました。これからもその教えを胸に、仕事に励んで行きたいと思います。ありがとうございました。」
「菱見さん・・・。」
凪咲の言葉に、思わず涙を浮かべる貴恵に
「チ-フ。これで永遠のお別れじゃないんですから、湿っぽいのはなしにしましょ。同じ秘書課の仲間ですし、これからもしばらくは凪咲さんにブースに入っていただく機会はまだあるんですから。」
明るい声で千晶が言う。凪咲が抜けたあとの欠員は、新たに派遣依頼を掛けることになり、それまでは、凪咲、理沙のブース経験者を中心に、秘書課全体でフォロ-して行くことになっていた。
「3人でもてんてこまいの時があったのに、2人体制なんて、とんでもないと思ってたから、まずはよかったよね。」
「休憩も満足に取れなくなっちゃうって、マジでビビッてました。もしも、そんなことになったら、絶対に訴えてやるって。」
「新城さんは、業務改善イコールリストラじゃないって、はっきり言ってます。それに桜内さんのことを『受付嬢になる為に生まれて来たんじゃないかと思うくらい完璧な受付嬢』って評価してたくらいだから、受付嬢の廃止は、絶対に考えていないと思います。」
そう言い切った凪咲に
「アイツ、たまにはいいこと言うじゃん。」
貴恵が応じて、ブースは笑いに包まれた。
「ということで、取り敢えず私と千晶は、来週から改めて心機一転、ブースをしっかり守って、菱見さんはあの男が暴走しないように、しっかり監視して。よろしくね。」
「はい。」
貴恵の言葉に、凪咲は頷いていた。
そう言って、笑顔を向けて来た理沙に、少し躊躇ったあと、凪咲は微かに頷いて見せた。
そうこうしてるうちに、時間はあっという間に過ぎて行き、凪咲がブ-スを離れる日がやって来た。最後の終礼が、つつがなく終わり
「これまでありがとうございました。」
凪咲が頭を下げると
「お疲れ様でした、菱見さん。」
笑顔で応えた貴恵だったが、すぐにその笑顔を消すと
「今更だけど・・・菱見さん、ごめんね。」
「桜内さん・・・。」
「あなたがここに来た時、あんなにきつく当たった私を、内心はわからないけど嫌いもせず、助けてくれて。その上、今回は私の代わりに望まない異動まで受け入れてくれて・・・感謝してる。」
と言って、頭を下げた。
「いえ。桜内さんとは同い年でしたけど、仕事に対するプロ意識の高さには、本当に教えられました。これからもその教えを胸に、仕事に励んで行きたいと思います。ありがとうございました。」
「菱見さん・・・。」
凪咲の言葉に、思わず涙を浮かべる貴恵に
「チ-フ。これで永遠のお別れじゃないんですから、湿っぽいのはなしにしましょ。同じ秘書課の仲間ですし、これからもしばらくは凪咲さんにブースに入っていただく機会はまだあるんですから。」
明るい声で千晶が言う。凪咲が抜けたあとの欠員は、新たに派遣依頼を掛けることになり、それまでは、凪咲、理沙のブース経験者を中心に、秘書課全体でフォロ-して行くことになっていた。
「3人でもてんてこまいの時があったのに、2人体制なんて、とんでもないと思ってたから、まずはよかったよね。」
「休憩も満足に取れなくなっちゃうって、マジでビビッてました。もしも、そんなことになったら、絶対に訴えてやるって。」
「新城さんは、業務改善イコールリストラじゃないって、はっきり言ってます。それに桜内さんのことを『受付嬢になる為に生まれて来たんじゃないかと思うくらい完璧な受付嬢』って評価してたくらいだから、受付嬢の廃止は、絶対に考えていないと思います。」
そう言い切った凪咲に
「アイツ、たまにはいいこと言うじゃん。」
貴恵が応じて、ブースは笑いに包まれた。
「ということで、取り敢えず私と千晶は、来週から改めて心機一転、ブースをしっかり守って、菱見さんはあの男が暴走しないように、しっかり監視して。よろしくね。」
「はい。」
貴恵の言葉に、凪咲は頷いていた。