ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
そんな凪咲に
「じゃ、俺はこれから外出します。今日は戻らないんで、また来週。」
と声を掛けて、早川は出掛けて行く。
「行ってらっしゃい。」
そう言って見送った凪咲だったが
「どうしたの?」
自分の名前が聞こえたから、気になって、戻って来た千晶に尋ねると
「合コンのお誘いです。」
にこやかに答えられて
「えっ・・・?」
凪咲は驚くが、そこへ来客が現れたので
「詳しくは、あとでお話しします。」
千晶はそう言って、その話題をいったん打ち切った。
結局、その話をするタイミングは、勤務中には訪れなかった。勤務が終わり、貴恵と別れた2人は社員食堂に向かった。
「合コンって本当なの?」
自販機でコーヒ-を買って、席に着くと凪咲は口を開く。
「はい。早川さんのお取引先の社員さんから、私たちと是非1度会いたいって要望があったそうなんです。」
受付嬢はモテるとよく言われる。会社の顔である彼女たちは常にブースにいるので、顔が広く知れ渡っている。さらにお淑やかな雰囲気を漂させ、美人と言われる人も多く、常ににこやかな笑顔で仕事をしているし、コミュニケーション能力が高く、普通に日常会話をしても楽しいと思われることも多い。社内外の男性社員が受付嬢に果敢にアタックなんてシーンがドラマや漫画に描かれることも少なくない。
だが現実的には、彼らが受付嬢を勤務中に口説くなんてことはまずありえない。内部社員にしてみれば毎日通る場所であり、顔を合わせる相手なので、変な噂になりたくもなければ、気まずい関係にもなりたくない。
そして、取引先の社員から、もしナンパ目的で声を掛けられた場合は、その旨を報告する規則がある企業も少なくない。何しに来てるのと冷たい視線を向けられても仕方ないし、下手にトラブルにでもなれば、出入り禁止を食らうことにもなりかねないからだ。
じゃ、そんな恋愛ドラマがまるっきり絵空事かと言えば、決してそんなことはない。当たり前だが、普通の社内恋愛と同じで、勤務時間外であれば、当然告白もお付き合いも自由。社内社員よりハードルが高いと思われる社外の人間でも、気になる受付嬢がいる会社の人と仲良くなって、その人から受付嬢を紹介してもらう、という方法がある。今回はまさにそのケースだ。
そんな千晶の言葉に、凪咲は困惑した表情を浮かべる。この手の誘いを受けるのは、当然初めてではない。だがそれに対して、凪咲は一貫して消極的な姿勢を貫いて来た。
「じゃ、俺はこれから外出します。今日は戻らないんで、また来週。」
と声を掛けて、早川は出掛けて行く。
「行ってらっしゃい。」
そう言って見送った凪咲だったが
「どうしたの?」
自分の名前が聞こえたから、気になって、戻って来た千晶に尋ねると
「合コンのお誘いです。」
にこやかに答えられて
「えっ・・・?」
凪咲は驚くが、そこへ来客が現れたので
「詳しくは、あとでお話しします。」
千晶はそう言って、その話題をいったん打ち切った。
結局、その話をするタイミングは、勤務中には訪れなかった。勤務が終わり、貴恵と別れた2人は社員食堂に向かった。
「合コンって本当なの?」
自販機でコーヒ-を買って、席に着くと凪咲は口を開く。
「はい。早川さんのお取引先の社員さんから、私たちと是非1度会いたいって要望があったそうなんです。」
受付嬢はモテるとよく言われる。会社の顔である彼女たちは常にブースにいるので、顔が広く知れ渡っている。さらにお淑やかな雰囲気を漂させ、美人と言われる人も多く、常ににこやかな笑顔で仕事をしているし、コミュニケーション能力が高く、普通に日常会話をしても楽しいと思われることも多い。社内外の男性社員が受付嬢に果敢にアタックなんてシーンがドラマや漫画に描かれることも少なくない。
だが現実的には、彼らが受付嬢を勤務中に口説くなんてことはまずありえない。内部社員にしてみれば毎日通る場所であり、顔を合わせる相手なので、変な噂になりたくもなければ、気まずい関係にもなりたくない。
そして、取引先の社員から、もしナンパ目的で声を掛けられた場合は、その旨を報告する規則がある企業も少なくない。何しに来てるのと冷たい視線を向けられても仕方ないし、下手にトラブルにでもなれば、出入り禁止を食らうことにもなりかねないからだ。
じゃ、そんな恋愛ドラマがまるっきり絵空事かと言えば、決してそんなことはない。当たり前だが、普通の社内恋愛と同じで、勤務時間外であれば、当然告白もお付き合いも自由。社内社員よりハードルが高いと思われる社外の人間でも、気になる受付嬢がいる会社の人と仲良くなって、その人から受付嬢を紹介してもらう、という方法がある。今回はまさにそのケースだ。
そんな千晶の言葉に、凪咲は困惑した表情を浮かべる。この手の誘いを受けるのは、当然初めてではない。だがそれに対して、凪咲は一貫して消極的な姿勢を貫いて来た。