ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「急に3ヵ月もなんだかんだと理由を付けられて、会えなくなったら、婚約者の方は当然、疑念を持つよな。」
「まさか・・・。」
「そう、彼女は俺のことを調べてたのさ。そして、お前と同居してたのがバレた。偽装だったんだって言っても、そんな言い訳が普通に通用するわけがない。婚約破棄と慰謝料の要求を突き付けられて、俺はなんにも言えなかった。」
「・・・。」
「結局、彼女の要求を受け入れるしかなかった。そして、顔を潰された形になった親父は激怒、もう俺には絶対に跡は継がせんと言って、俺は海外事業部に塩漬けにされた。だから1年の予定が3年も向こうに居たんだ。」
「じゃぁ、結局、全部私のせいってことじゃない・・・。」
「そう言えなくもないな。」
「ごめんなさい・・・。」
心底申し訳なさそうな表情になる凪咲に
「お前が責任感じることはないよ。約束通り、最初の3ヵ月で同居を打ち切っていれば、よかっただけの話さ。所詮は俺の我が儘だったんだから。」
裕は首を振って言う。
「でも、よく帰って来られたね?社長のお怒りが解けたの?」
「最近になって、実はどっちもどっちだったことが発覚したんだよ。」
「えっ?」
「彼女の方も、本当は俺との結婚には乗り気じゃなくて、隠れて、他の男とコソコソやっていたらしい。俺の偽装同居の発覚は、彼女にとっては、本当は好都合だったってこと。お前と一緒にするなと言いたいけど、まぁ外から見れば五十歩百歩ってことだろうし、とにかく令和のご時世に政略結婚なんて、所詮おとぎ話にすらならなかった。そんな顛末だったんだよ。」
そう言って、苦笑いを浮かべる裕の顔を、凪咲は複雑な思いで見つめる。
「かくして、蟄居閉門を解かれて、俺は帰国することになった。再び後継者候補になった俺に、親父が命じたのはとにかく経営を学べということだった。その第一歩として、今の会社の業務を全面的に見直して、改善しろとのお達し。まぁ後継になるなら、なにか1つ実績を示してみろってことだよな。俺はもともと親父の後継者にどうしてもなりたかったわけじゃないけど、でもここまで来たら、やるしかないかな、やってやろうじゃないのって気にもなったから。それともう1つ、せっかくなら凪咲にいいとこ見せたいっていう下心もあったし。でも、作戦が当たり過ぎて、凪咲に本気で軽蔑されたのは誤算だったけどな。」
そう言って、裕は笑った。
「まさか・・・。」
「そう、彼女は俺のことを調べてたのさ。そして、お前と同居してたのがバレた。偽装だったんだって言っても、そんな言い訳が普通に通用するわけがない。婚約破棄と慰謝料の要求を突き付けられて、俺はなんにも言えなかった。」
「・・・。」
「結局、彼女の要求を受け入れるしかなかった。そして、顔を潰された形になった親父は激怒、もう俺には絶対に跡は継がせんと言って、俺は海外事業部に塩漬けにされた。だから1年の予定が3年も向こうに居たんだ。」
「じゃぁ、結局、全部私のせいってことじゃない・・・。」
「そう言えなくもないな。」
「ごめんなさい・・・。」
心底申し訳なさそうな表情になる凪咲に
「お前が責任感じることはないよ。約束通り、最初の3ヵ月で同居を打ち切っていれば、よかっただけの話さ。所詮は俺の我が儘だったんだから。」
裕は首を振って言う。
「でも、よく帰って来られたね?社長のお怒りが解けたの?」
「最近になって、実はどっちもどっちだったことが発覚したんだよ。」
「えっ?」
「彼女の方も、本当は俺との結婚には乗り気じゃなくて、隠れて、他の男とコソコソやっていたらしい。俺の偽装同居の発覚は、彼女にとっては、本当は好都合だったってこと。お前と一緒にするなと言いたいけど、まぁ外から見れば五十歩百歩ってことだろうし、とにかく令和のご時世に政略結婚なんて、所詮おとぎ話にすらならなかった。そんな顛末だったんだよ。」
そう言って、苦笑いを浮かべる裕の顔を、凪咲は複雑な思いで見つめる。
「かくして、蟄居閉門を解かれて、俺は帰国することになった。再び後継者候補になった俺に、親父が命じたのはとにかく経営を学べということだった。その第一歩として、今の会社の業務を全面的に見直して、改善しろとのお達し。まぁ後継になるなら、なにか1つ実績を示してみろってことだよな。俺はもともと親父の後継者にどうしてもなりたかったわけじゃないけど、でもここまで来たら、やるしかないかな、やってやろうじゃないのって気にもなったから。それともう1つ、せっかくなら凪咲にいいとこ見せたいっていう下心もあったし。でも、作戦が当たり過ぎて、凪咲に本気で軽蔑されたのは誤算だったけどな。」
そう言って、裕は笑った。