ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「コスト、ですか?」
凪咲の問いに頷いた貴恵は
「うん。1つのシステムを導入するのに、どのくらいのお金が必要なのか、私にはわからないけど、当然何万とかいう単位じゃないはず。今回、受付だけじゃなくて、全社的に業務改善を進めて行く以上、そういうお金はいっぱい掛かる。だから・・・。」
不安そうな表情を浮かべた。
「業務改善はリストラじゃない。俺は何度もそう言って来たのはそう言う事だ。改善がみんなの創意工夫や努力、節約だけで成し遂げられるなら苦労はしない。そうなら、とっくにみんなが取り組んでるだろう。それが出来ないのには理由があって、解決するには今の話のように新しいシステムを導入するとか、人を新たに投入するとか、いわゆる経費が必要になることは、当たり前のことなんだ。、それが、働く人たちの為、会社の将来の為になるなら、全ての要望はすぐに叶えられないかもしれないが、躊躇なく実践すべきだ。その優先順位を付けるのも、俺たちの仕事だ。今回の桜内さんの提案については、プロジェクトリーダ-として、前向きに受け止めさせてもらう。ありがとう。」
裕は力強く答えていた。
結局、貴恵の提案は、ほぼ現実となり、今日を迎えた。しばらくは受け入れ側もお客側も慣れる時間が必要な為、現状の体制のままだが、約1ヶ月の移行期間の後には、彼女たちのブースへの拘束時間は3割方は短くなるはずだった。その為、これまで総務部秘書課の所属だった受付嬢たちは、同じ総務部の総務課に転属となり、空いた時間に、総務課の事務などを担当することになった。期せずして、古巣に復帰する形になった千晶は、大喜びだった。
「じゃ、引き続きよろしくな。」
「今日はお疲れ様でした。」
話が終わり、裕と凪咲が引き上げようとすると
「新城さん。」
貴恵が呼び止める。
「私はこれまで、受付嬢という仕事を、誇りを持って勤めて来ました。でもその誇りがいつのまにか驕りになってしまって、新しいことを受け入れることを拒むようになってしまっていたようです。それに気付かせていただき、ありがとうございました。」
そう言って、頭を下げた。
「いや。俺の方こそ、手探りでやって来たプロジェクトに自信が持てるようになったのは、あの時の桜内さんの反応からだった。感謝してるよ。」
「いえ・・・。」
そう言って、はにかんだような笑顔を浮かべた貴恵に
(桜内さんって、こんな表情もするんだ・・・。)
凪咲が思わず目を見張った横で
(可愛い・・・。)
裕も息を呑んだ様に、彼女の表情を見ていた。
凪咲の問いに頷いた貴恵は
「うん。1つのシステムを導入するのに、どのくらいのお金が必要なのか、私にはわからないけど、当然何万とかいう単位じゃないはず。今回、受付だけじゃなくて、全社的に業務改善を進めて行く以上、そういうお金はいっぱい掛かる。だから・・・。」
不安そうな表情を浮かべた。
「業務改善はリストラじゃない。俺は何度もそう言って来たのはそう言う事だ。改善がみんなの創意工夫や努力、節約だけで成し遂げられるなら苦労はしない。そうなら、とっくにみんなが取り組んでるだろう。それが出来ないのには理由があって、解決するには今の話のように新しいシステムを導入するとか、人を新たに投入するとか、いわゆる経費が必要になることは、当たり前のことなんだ。、それが、働く人たちの為、会社の将来の為になるなら、全ての要望はすぐに叶えられないかもしれないが、躊躇なく実践すべきだ。その優先順位を付けるのも、俺たちの仕事だ。今回の桜内さんの提案については、プロジェクトリーダ-として、前向きに受け止めさせてもらう。ありがとう。」
裕は力強く答えていた。
結局、貴恵の提案は、ほぼ現実となり、今日を迎えた。しばらくは受け入れ側もお客側も慣れる時間が必要な為、現状の体制のままだが、約1ヶ月の移行期間の後には、彼女たちのブースへの拘束時間は3割方は短くなるはずだった。その為、これまで総務部秘書課の所属だった受付嬢たちは、同じ総務部の総務課に転属となり、空いた時間に、総務課の事務などを担当することになった。期せずして、古巣に復帰する形になった千晶は、大喜びだった。
「じゃ、引き続きよろしくな。」
「今日はお疲れ様でした。」
話が終わり、裕と凪咲が引き上げようとすると
「新城さん。」
貴恵が呼び止める。
「私はこれまで、受付嬢という仕事を、誇りを持って勤めて来ました。でもその誇りがいつのまにか驕りになってしまって、新しいことを受け入れることを拒むようになってしまっていたようです。それに気付かせていただき、ありがとうございました。」
そう言って、頭を下げた。
「いや。俺の方こそ、手探りでやって来たプロジェクトに自信が持てるようになったのは、あの時の桜内さんの反応からだった。感謝してるよ。」
「いえ・・・。」
そう言って、はにかんだような笑顔を浮かべた貴恵に
(桜内さんって、こんな表情もするんだ・・・。)
凪咲が思わず目を見張った横で
(可愛い・・・。)
裕も息を呑んだ様に、彼女の表情を見ていた。