ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「じゃ、もしウチの親が、認めないって言ったら、裕は私のことを諦めるの?」
やがて、不安そうに凪咲が口を開いた。
「そんなわけねぇだろ。」
即答する裕。
「どうしても決裂ってなったら、ご両親には悪いけど、凪咲は奪ってでも連れて帰る。その覚悟は出来てる。」
「裕・・・。」
「でも、それって誰も望んでない結末だろう。だから、緊張してる。最悪の事態だけはなんとしても避けたいから。」
その言葉に、凪咲は頷くと、前を向いた。
そして、到着。菱見精肉店の駐車場に車を停め、降り立ったふたりの目に「本日、臨時休業」との札が店頭に掲げられているのが、目に入る。それを見て、期せずして1つ息をついたふたりは、そのまま玄関に向かい、凪咲がインタ-フォンを押す。
「はい。」
返って来た母親の声に
「ただいま。」
緊張の面持ちで答える凪咲。
「少しお待ち下さい。」
と応答があったあと、ドアを開けた正美の表情は固かった。
「ご無沙汰しております。今日は突然、お邪魔いたしまして、申し訳ございません。」
裕がそう言って、頭を下げると
「どうぞ、お上がり下さい。」
正美は、固い表情のままで言った。
「失礼します。」
どうやら門前払いはされなかったようで、少しホッとした表情で家に上がったふたりが、正美の後に付いて、居間に入ると、これまた、なんとも言えない表情の直也と勉が座っていた。
「あの・・・。」
挨拶をしようとする裕を遮るように
「これはどういうことなんだい?」
直也が口を開いた。
「娘を捨てて、忽然と姿を消したはずの君が、なぜまたいつの間にか娘と同棲してて、こうして、また我々の前に現れてるんだ?まぁ、よりを戻したんだと言われてしまえば、それまでなんだが、それにしても・・・。」
「申し訳ございません。」
「とにかく、ちゃんと我々にも理解できるように説明してもらえんかね?」
激怒しているというよりは、困惑しているといった様子の直也に
「もちろん、今日はそのつもりでお邪魔させていただきました。お時間をいただきまして、ありがとうございます。」
裕は改めて、頭を下げる。
「取り敢えず、掛けてくれよ。」
立ちっぱなしのふたりに、勉が声を掛けると
「ありがとうございます。」
ふたりは席に着いた。
やがて、不安そうに凪咲が口を開いた。
「そんなわけねぇだろ。」
即答する裕。
「どうしても決裂ってなったら、ご両親には悪いけど、凪咲は奪ってでも連れて帰る。その覚悟は出来てる。」
「裕・・・。」
「でも、それって誰も望んでない結末だろう。だから、緊張してる。最悪の事態だけはなんとしても避けたいから。」
その言葉に、凪咲は頷くと、前を向いた。
そして、到着。菱見精肉店の駐車場に車を停め、降り立ったふたりの目に「本日、臨時休業」との札が店頭に掲げられているのが、目に入る。それを見て、期せずして1つ息をついたふたりは、そのまま玄関に向かい、凪咲がインタ-フォンを押す。
「はい。」
返って来た母親の声に
「ただいま。」
緊張の面持ちで答える凪咲。
「少しお待ち下さい。」
と応答があったあと、ドアを開けた正美の表情は固かった。
「ご無沙汰しております。今日は突然、お邪魔いたしまして、申し訳ございません。」
裕がそう言って、頭を下げると
「どうぞ、お上がり下さい。」
正美は、固い表情のままで言った。
「失礼します。」
どうやら門前払いはされなかったようで、少しホッとした表情で家に上がったふたりが、正美の後に付いて、居間に入ると、これまた、なんとも言えない表情の直也と勉が座っていた。
「あの・・・。」
挨拶をしようとする裕を遮るように
「これはどういうことなんだい?」
直也が口を開いた。
「娘を捨てて、忽然と姿を消したはずの君が、なぜまたいつの間にか娘と同棲してて、こうして、また我々の前に現れてるんだ?まぁ、よりを戻したんだと言われてしまえば、それまでなんだが、それにしても・・・。」
「申し訳ございません。」
「とにかく、ちゃんと我々にも理解できるように説明してもらえんかね?」
激怒しているというよりは、困惑しているといった様子の直也に
「もちろん、今日はそのつもりでお邪魔させていただきました。お時間をいただきまして、ありがとうございます。」
裕は改めて、頭を下げる。
「取り敢えず、掛けてくれよ。」
立ちっぱなしのふたりに、勉が声を掛けると
「ありがとうございます。」
ふたりは席に着いた。