ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「まず最初に、お詫びしなければならないことは、私と凪咲さんは、ご両親を騙しておりました。」
裕がこう切り出すと
「騙した?」
「どういうこと?」
当然両親はそう問うてくる。
「最初にこちらにお邪魔した時、私たちは本当は付き合っていませんでした。」
「どういう意味?」
「私がお見合いを断る為に、お願いして、彼氏を演じてもらったの。つまり偽彼氏になってもらったのよ。」
ここで凪咲が口を開いた。その言葉に、思わず顔を見合わせた両親に
「だから裕は・・・何も悪くない。裕は好意で私に協力してくれただけなの。だから、裕を責めないで下さい。」
凪咲は訴えるように言う。
「でも、その後、あなたたちは、現実に一緒に住んでたじゃない?」
疑問を呈する正美。
「それも偽装同居です。」
「偽装同居って・・・。」
「確かにひとつ屋根の下に住んでたけど、実際に住んでたのはシェアハウスだったから、ほとんど生活は別にしてた。」
「しかし、そんなこと・・・。」
理解出来ないという表情の両親に
「凪咲の話は嘘じゃない。」
と言ったのは勉だった。
「偽装同居の話は、俺も一枚噛んでたからな。」
「なんだって?」
「そうでもしなきゃ、凪咲の意に添わない見合いをあのまま強行してただろう。」
勉に決め付けられて、直也はグッと詰まる。
「偽装同居だから、当然期間が決まってた。半年後、裕が姿を消したのは、最初からの約束だったの。だから・・・裕がお父さんたちから責められることなんて、何もないの。悪いのは、全部私。本当にごめんなさい。」
そう言って、両親に頭を下げる凪咲に
「まぁ、何と言うか、俄かには信じ難い話だが・・・。」
と言った直也も、それ以上の言葉が見つからないようで、座は沈黙に包まれるが、それを破るかのように
「実は私も意に沿わない婚約、結婚を強いられている立場でした。自分はそれを受け入れるつもりでしたが、凪咲さんが同じような状況に置かれていることが耳に入り、凪咲さんには自分と同じ辛い思いを味わって欲しくない。その一心で、凪咲さんに協力させてもらいました。ですが、ご両親をだましていたということに関しては、私も同罪です。改めてお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。」
口を開いた裕は、改めて深々と頭を下げた。
裕がこう切り出すと
「騙した?」
「どういうこと?」
当然両親はそう問うてくる。
「最初にこちらにお邪魔した時、私たちは本当は付き合っていませんでした。」
「どういう意味?」
「私がお見合いを断る為に、お願いして、彼氏を演じてもらったの。つまり偽彼氏になってもらったのよ。」
ここで凪咲が口を開いた。その言葉に、思わず顔を見合わせた両親に
「だから裕は・・・何も悪くない。裕は好意で私に協力してくれただけなの。だから、裕を責めないで下さい。」
凪咲は訴えるように言う。
「でも、その後、あなたたちは、現実に一緒に住んでたじゃない?」
疑問を呈する正美。
「それも偽装同居です。」
「偽装同居って・・・。」
「確かにひとつ屋根の下に住んでたけど、実際に住んでたのはシェアハウスだったから、ほとんど生活は別にしてた。」
「しかし、そんなこと・・・。」
理解出来ないという表情の両親に
「凪咲の話は嘘じゃない。」
と言ったのは勉だった。
「偽装同居の話は、俺も一枚噛んでたからな。」
「なんだって?」
「そうでもしなきゃ、凪咲の意に添わない見合いをあのまま強行してただろう。」
勉に決め付けられて、直也はグッと詰まる。
「偽装同居だから、当然期間が決まってた。半年後、裕が姿を消したのは、最初からの約束だったの。だから・・・裕がお父さんたちから責められることなんて、何もないの。悪いのは、全部私。本当にごめんなさい。」
そう言って、両親に頭を下げる凪咲に
「まぁ、何と言うか、俄かには信じ難い話だが・・・。」
と言った直也も、それ以上の言葉が見つからないようで、座は沈黙に包まれるが、それを破るかのように
「実は私も意に沿わない婚約、結婚を強いられている立場でした。自分はそれを受け入れるつもりでしたが、凪咲さんが同じような状況に置かれていることが耳に入り、凪咲さんには自分と同じ辛い思いを味わって欲しくない。その一心で、凪咲さんに協力させてもらいました。ですが、ご両親をだましていたということに関しては、私も同罪です。改めてお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。」
口を開いた裕は、改めて深々と頭を下げた。