ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「まぁ、私たちを騙したことについては、今更とやかく言っても仕方がない。我々の方に、全く非がないわけでもないからな。でもそんな君たちが、結局こうして今、一緒にいるっていうのが、さっぱりわからないんだが・・・。」
と言い出した直也に
「えっ、本当にわからないの?お父さん。」
呆れた声を出した正美は
「『ウソから出たマコト』ってことでしょ?」
そう言って、笑顔でふたりを見る。
「お母さん・・・。」
「ご明察です。」
すると、凪咲は思わず顔を赤らめ、裕は恐れ入りましたとばかりに、正美に頭を下げる。
「なるほどね、そういうのもアリか。」
「だからお父さん、もうそれでいいじゃないの。」
勉と正美に言われ
「まぁ、ふたりが今度こそ真剣に将来を見据えて、付き合って行くというなら・・・。」
直也がそう口走ると
「ありがとうございます。」
「ありがとう、お父さん!」
裕と凪咲もようやく笑顔になった。
「そ、それにしてもだ。そういうことならばだ、もっと早く報告があってもよかったんじゃないか?」
それでも尚、ひと言、言いたいのか、直也がなぜか厳めしい顔で言うが
「それは私たちに気を遣ってくれてたんだよね、凪咲。」
という声と共に、充希が顔を出した。
「充希、来てたの?」
「ちょっと前からね。悪いけど立ち聞きしてました。」
そう言って、ペロリと舌を出した充希は、ポスンと勉の横に腰掛けると
「初めまして、裕さん。勉、凪咲兄妹の幼なじみの佐山充希です。あとひょっとしたらというか、たぶんあなたたちの義姉になると思いますんで、よろしくお願いします。」
裕に挨拶をする。
「じゃ、勉さんの・・・。」
「婚約者です。危うく元婚約者になり掛けましたけど、先日なんとか仲直りして、こうしてこの場に顔を出してます。」
そう言って、笑顔を見せた充希は、隣の勉に寄り添って見せる。
「新城裕です、こちらこそよろしくお願いします。」
「それにしても、これで全部つながりました。」
「何がですか?」
「この前、凪咲が帰って来た時、突然ちょっといい雰囲気になっていた高校時代のクラスメイトに別れを告げ、しばらく帰郷できなくなるって言い残して帰って行ったんですよ。こういうことだったんですね?」
「えっ?」
「ちょ、ちょっと充希!」
驚く裕と慌てる凪咲を横に
「我が世の春とは、このことだ。母さん、さっそく寿司だ、10人前だ、すぐに注文してくれ。」
すっかりご機嫌になった直也が、声高らかに言っていた。
と言い出した直也に
「えっ、本当にわからないの?お父さん。」
呆れた声を出した正美は
「『ウソから出たマコト』ってことでしょ?」
そう言って、笑顔でふたりを見る。
「お母さん・・・。」
「ご明察です。」
すると、凪咲は思わず顔を赤らめ、裕は恐れ入りましたとばかりに、正美に頭を下げる。
「なるほどね、そういうのもアリか。」
「だからお父さん、もうそれでいいじゃないの。」
勉と正美に言われ
「まぁ、ふたりが今度こそ真剣に将来を見据えて、付き合って行くというなら・・・。」
直也がそう口走ると
「ありがとうございます。」
「ありがとう、お父さん!」
裕と凪咲もようやく笑顔になった。
「そ、それにしてもだ。そういうことならばだ、もっと早く報告があってもよかったんじゃないか?」
それでも尚、ひと言、言いたいのか、直也がなぜか厳めしい顔で言うが
「それは私たちに気を遣ってくれてたんだよね、凪咲。」
という声と共に、充希が顔を出した。
「充希、来てたの?」
「ちょっと前からね。悪いけど立ち聞きしてました。」
そう言って、ペロリと舌を出した充希は、ポスンと勉の横に腰掛けると
「初めまして、裕さん。勉、凪咲兄妹の幼なじみの佐山充希です。あとひょっとしたらというか、たぶんあなたたちの義姉になると思いますんで、よろしくお願いします。」
裕に挨拶をする。
「じゃ、勉さんの・・・。」
「婚約者です。危うく元婚約者になり掛けましたけど、先日なんとか仲直りして、こうしてこの場に顔を出してます。」
そう言って、笑顔を見せた充希は、隣の勉に寄り添って見せる。
「新城裕です、こちらこそよろしくお願いします。」
「それにしても、これで全部つながりました。」
「何がですか?」
「この前、凪咲が帰って来た時、突然ちょっといい雰囲気になっていた高校時代のクラスメイトに別れを告げ、しばらく帰郷できなくなるって言い残して帰って行ったんですよ。こういうことだったんですね?」
「えっ?」
「ちょ、ちょっと充希!」
驚く裕と慌てる凪咲を横に
「我が世の春とは、このことだ。母さん、さっそく寿司だ、10人前だ、すぐに注文してくれ。」
すっかりご機嫌になった直也が、声高らかに言っていた。