ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
エピロ-グ②~プロポ-ズ~
結局、夕方まで、賑やかな時間を過ごした一同だったが、裕は
「この後、運転がありますので。」
と言って、アルコ-ルは口にせず、直也の「泊まっていけ」攻勢もなんとか凌ぎ
「また近々、お邪魔させていただきますので、今日はこれで失礼いたします。」
丁重に挨拶をして、凪咲と共に菱見家を後にした。
「裕、今日はありがとう。」
車がスタ-トすると、助手席の凪咲が、笑顔でそう言った。
「正直、こんなにスム-ズに受け入れていただけるとは、夢にも思ってなかった。凪咲のおかあさんが、きれいにまとめてくれたお陰だな。」
「ちょっと、きれい過ぎたけどね。本当はもっといろいろあったし。」
「まぁな。でも・・・本質はその通りだから。」
「そうだね・・・。」
既に陽はとっぷりと暮れ、対向車のヘッドライトが眩しい時間となった。
「この分じゃ、東京に帰るのは8時くらいになっちゃうね。今日はさすがにお夕飯、外で食べようか?」
尋ねた凪咲に
「誰が帰るって言った?」
前を見ながら、裕が一言。
「えっ?」
「今夜はこっちに泊まるから。」
「えっ、そんなの聞いてないし、それだったらウチに泊ればよかったじゃない。私、お泊りの準備なんか、全然して来てないよ。」
「わかってねぇな。」
「裕・・・。」
「とにかく黙って付いて来いよ。」
(どこへ行くつもりなんだろ・・・?)
こうやって、動いている車に乗っている以上、言われなくても黙って付いて行くしかないのだが、凪咲が横顔を窺うと、裕は楽しそうにハンドルを握っている。
車を走らせること約40分ほど。市街地に入って、まもなく、ひときわ高い建物が見えてくると
「今日はここは泊まるから。」
そう言って、裕は地下駐車場に車を滑り込ませていく。そして、車を停め、降り立ったふたり。
「行こう。」
「う、うん。」
差し出された左手をしっかり右手で取った凪咲は、戸惑いを隠せないまま、歩き出す。そして、エレベ-タ-に乗り、フロントに向かい、受付カウンタ-の前に立ったふたりを
「いらっしゃいませ、ホテルクラウンプラザへようこそ。」
フロントクラ-クが、にこやかに出迎えた。
「この後、運転がありますので。」
と言って、アルコ-ルは口にせず、直也の「泊まっていけ」攻勢もなんとか凌ぎ
「また近々、お邪魔させていただきますので、今日はこれで失礼いたします。」
丁重に挨拶をして、凪咲と共に菱見家を後にした。
「裕、今日はありがとう。」
車がスタ-トすると、助手席の凪咲が、笑顔でそう言った。
「正直、こんなにスム-ズに受け入れていただけるとは、夢にも思ってなかった。凪咲のおかあさんが、きれいにまとめてくれたお陰だな。」
「ちょっと、きれい過ぎたけどね。本当はもっといろいろあったし。」
「まぁな。でも・・・本質はその通りだから。」
「そうだね・・・。」
既に陽はとっぷりと暮れ、対向車のヘッドライトが眩しい時間となった。
「この分じゃ、東京に帰るのは8時くらいになっちゃうね。今日はさすがにお夕飯、外で食べようか?」
尋ねた凪咲に
「誰が帰るって言った?」
前を見ながら、裕が一言。
「えっ?」
「今夜はこっちに泊まるから。」
「えっ、そんなの聞いてないし、それだったらウチに泊ればよかったじゃない。私、お泊りの準備なんか、全然して来てないよ。」
「わかってねぇな。」
「裕・・・。」
「とにかく黙って付いて来いよ。」
(どこへ行くつもりなんだろ・・・?)
こうやって、動いている車に乗っている以上、言われなくても黙って付いて行くしかないのだが、凪咲が横顔を窺うと、裕は楽しそうにハンドルを握っている。
車を走らせること約40分ほど。市街地に入って、まもなく、ひときわ高い建物が見えてくると
「今日はここは泊まるから。」
そう言って、裕は地下駐車場に車を滑り込ませていく。そして、車を停め、降り立ったふたり。
「行こう。」
「う、うん。」
差し出された左手をしっかり右手で取った凪咲は、戸惑いを隠せないまま、歩き出す。そして、エレベ-タ-に乗り、フロントに向かい、受付カウンタ-の前に立ったふたりを
「いらっしゃいませ、ホテルクラウンプラザへようこそ。」
フロントクラ-クが、にこやかに出迎えた。