ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
翌朝。
凪咲がブースに降りると
「おはようございます!」
華やかな表情の千晶が、元気な声で挨拶して来る。
「おはよう。千晶ちゃん、今朝は早いね。合コン明けだっていうのに。」
揶揄うように言った凪咲に
「はい、今日もバリバリやる気ですから。」
「さては、お気に入りの人が見つかったのかな?」
「お陰様で、昨日の合コンはホントに当たりでした。その中でも、私が一番いいなと思った人と、連絡先交換して、今度ふたりで会うことになりました!」
千晶は満面の笑みで答える。
「それはよかったね。」
つられたように笑顔になった凪咲に
「ありがとうございます。でも、本当に昨日はイケメンばっかりで・・・楽しかったです。凪咲さんもいらっしゃればよかったのに。」
千晶はそんなことを言い出す。
「いえいえ、そんなイケメン揃いの場じゃ、私なんてとてもお呼びじゃないんで。でもその千晶ちゃんの顔を見て、私も元気もらったよ。」
そんな会話で盛り上がっていると
「おはよう。」
いつの間にか、貴恵が姿を見せていた。
「お、おはようございます。」
仕事場で、はしゃいでいる姿を見られて、2人はバツ悪そうな表情を浮かべたが
「じゃ、まず朝礼やっちゃうよ。」
貴恵は特に何も言うことなく、淡々と朝礼を始め、いくつかの確認事項を共有すると
「それじゃ本日もよろしくお願いします。」
と言って、清掃の為にブースを離れて行った。お小言の1つも言われるかと思っていた2人は、すっかり拍子抜けしてしまったが、すぐに気を取り直し、オープン準備に入る。
ブ-スがオープンし、来客を迎える貴恵は、いつもと変わらぬ態度、仕草だったが、しかしその他の事務作業やアイドルタイムでは極端に口数が少なく、時折物思いに耽るような様子を見せて、凪咲たちを驚かせた。
「チ-フ、どうしたんですかね?」
「ちょっと様子がおかしいよね。」
さすがに2人が心配になっていると
「どうしたの?」
その様子に気付いた貴恵が、逆に尋ねて来るから
「あの・・・桜内さん、なにか心配事でもおありですか?」
「それともどこか体調が悪いとか・・・。」
と2人は思わず聞いてしまう。
「私?全然大丈夫だよ。2人に心配してもらうことなんか、何もないから、ちゃんと仕事に集中して。」
貴恵はそう言って、入口に視線を向けるが
(桜内さん・・・。)
そんな彼女に、凪咲は不安げな視線を向けた。
凪咲がブースに降りると
「おはようございます!」
華やかな表情の千晶が、元気な声で挨拶して来る。
「おはよう。千晶ちゃん、今朝は早いね。合コン明けだっていうのに。」
揶揄うように言った凪咲に
「はい、今日もバリバリやる気ですから。」
「さては、お気に入りの人が見つかったのかな?」
「お陰様で、昨日の合コンはホントに当たりでした。その中でも、私が一番いいなと思った人と、連絡先交換して、今度ふたりで会うことになりました!」
千晶は満面の笑みで答える。
「それはよかったね。」
つられたように笑顔になった凪咲に
「ありがとうございます。でも、本当に昨日はイケメンばっかりで・・・楽しかったです。凪咲さんもいらっしゃればよかったのに。」
千晶はそんなことを言い出す。
「いえいえ、そんなイケメン揃いの場じゃ、私なんてとてもお呼びじゃないんで。でもその千晶ちゃんの顔を見て、私も元気もらったよ。」
そんな会話で盛り上がっていると
「おはよう。」
いつの間にか、貴恵が姿を見せていた。
「お、おはようございます。」
仕事場で、はしゃいでいる姿を見られて、2人はバツ悪そうな表情を浮かべたが
「じゃ、まず朝礼やっちゃうよ。」
貴恵は特に何も言うことなく、淡々と朝礼を始め、いくつかの確認事項を共有すると
「それじゃ本日もよろしくお願いします。」
と言って、清掃の為にブースを離れて行った。お小言の1つも言われるかと思っていた2人は、すっかり拍子抜けしてしまったが、すぐに気を取り直し、オープン準備に入る。
ブ-スがオープンし、来客を迎える貴恵は、いつもと変わらぬ態度、仕草だったが、しかしその他の事務作業やアイドルタイムでは極端に口数が少なく、時折物思いに耽るような様子を見せて、凪咲たちを驚かせた。
「チ-フ、どうしたんですかね?」
「ちょっと様子がおかしいよね。」
さすがに2人が心配になっていると
「どうしたの?」
その様子に気付いた貴恵が、逆に尋ねて来るから
「あの・・・桜内さん、なにか心配事でもおありですか?」
「それともどこか体調が悪いとか・・・。」
と2人は思わず聞いてしまう。
「私?全然大丈夫だよ。2人に心配してもらうことなんか、何もないから、ちゃんと仕事に集中して。」
貴恵はそう言って、入口に視線を向けるが
(桜内さん・・・。)
そんな彼女に、凪咲は不安げな視線を向けた。