ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
その後は、貴恵も普通に振る舞い、ブースは落ち着きを取り戻し、その日の受付業務はつつがなく終わりに近付こうとしていた。だが、終礼が終わり、あとは引継ぎの警備員が姿を現すのを待つばかりという時、内線電話が鳴った。凪咲が出ようとすると
「たぶん、私宛てだから。」
貴恵がそれを制して受話器を取った。
「はい、1F受付ブース桜内です・・・お疲れ様です、はい、はい・・・わかりました。終礼も終わったんで、これからすぐに伺います。」
そう答えて、受話器を置いた貴恵は
「ごめん、少し早いけど、先に上がらせてもらうよ。あとはよろしくね、お疲れ。」
凪咲たちに言い残すと、そのままブースを離れる。
「お疲れ様でした。」
と答えた2人だったが
「誰からなんですかね?」
「桜内さんは電話が掛かって来ることがわかってたみたいだけど・・・。」
思わずを顔を見合わせた。
間もなく、警備員と交代し、着替えを済ませ、退勤しようと2人が受付を通った時にも、貴恵はまだ社内に残っているようだった。
「プライベ-トで誰かとおしゃべりでもしてるんですかね?」
「まさか、あの桜内さんがそんなことの為に、定刻前にブースを離れたり、時間外になっても社内に残ってるなんて、ありえないよ。」
「そうですよね・・・。」
なんとも気にはなったが、待っているわけにもいかず、2人は会社を後にした。
翌朝、凪咲はいつもより20分ほど早く、出勤した。昨夜、帰宅した後に
『お話ししなきゃならないことが出来たから、申し訳ないけど、明日は早めに出勤してちょうだい。』
と貴恵から連絡が入ったからだ。
「眠いですよね~。」
ただでさえ、朝が早い受付嬢にとって、20分の早出は結構きつい。千晶は目をしょぼつかせているが
「そんなことは百も承知の桜内さんが、こんなこと言い出したんだから、よっぽどのことだよ。」
という凪咲の言葉には、頷かざるを得ない。果たして、2人がブースに降りると、貴恵は既に待ち構えていた。
「おはようございます。」
「2人共、早くにごめんね。正直、あんまり人に聞かれたくない話だから・・・。」
「いえ、大丈夫です。」
そのことは察している凪咲が答える。
「ありがとう。じゃ早速本題に入るけど、実は昨日開かれた臨時取締役会で『業務改善委員会』という内部プロジェクトが発足することが、正式に決定したの。」
と告げる貴恵の表情は厳しかった。
「たぶん、私宛てだから。」
貴恵がそれを制して受話器を取った。
「はい、1F受付ブース桜内です・・・お疲れ様です、はい、はい・・・わかりました。終礼も終わったんで、これからすぐに伺います。」
そう答えて、受話器を置いた貴恵は
「ごめん、少し早いけど、先に上がらせてもらうよ。あとはよろしくね、お疲れ。」
凪咲たちに言い残すと、そのままブースを離れる。
「お疲れ様でした。」
と答えた2人だったが
「誰からなんですかね?」
「桜内さんは電話が掛かって来ることがわかってたみたいだけど・・・。」
思わずを顔を見合わせた。
間もなく、警備員と交代し、着替えを済ませ、退勤しようと2人が受付を通った時にも、貴恵はまだ社内に残っているようだった。
「プライベ-トで誰かとおしゃべりでもしてるんですかね?」
「まさか、あの桜内さんがそんなことの為に、定刻前にブースを離れたり、時間外になっても社内に残ってるなんて、ありえないよ。」
「そうですよね・・・。」
なんとも気にはなったが、待っているわけにもいかず、2人は会社を後にした。
翌朝、凪咲はいつもより20分ほど早く、出勤した。昨夜、帰宅した後に
『お話ししなきゃならないことが出来たから、申し訳ないけど、明日は早めに出勤してちょうだい。』
と貴恵から連絡が入ったからだ。
「眠いですよね~。」
ただでさえ、朝が早い受付嬢にとって、20分の早出は結構きつい。千晶は目をしょぼつかせているが
「そんなことは百も承知の桜内さんが、こんなこと言い出したんだから、よっぽどのことだよ。」
という凪咲の言葉には、頷かざるを得ない。果たして、2人がブースに降りると、貴恵は既に待ち構えていた。
「おはようございます。」
「2人共、早くにごめんね。正直、あんまり人に聞かれたくない話だから・・・。」
「いえ、大丈夫です。」
そのことは察している凪咲が答える。
「ありがとう。じゃ早速本題に入るけど、実は昨日開かれた臨時取締役会で『業務改善委員会』という内部プロジェクトが発足することが、正式に決定したの。」
と告げる貴恵の表情は厳しかった。