ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
⑧
大城と共に実家を訪れてから、ちょうど1週間後の週末。凪咲は緊張の面持ちで、自室にいた。
(いよいよ、だよね・・・。)
時計に目をやって、1つ息を吐いた凪咲は、次に立ち上がると、既に、何度目かと思いながら、家の中をチェックして回る。
(大丈夫、だよね・・・。)
心の中で、自らに確認した凪咲が、とりあえず椅子に腰を下ろすと、インタ-フォンの音が、部屋に鳴り響く。その音にハッとしたように席を立つと、モニタ-を確認する。そして、そこに映る待ち人の顔を確認すると
「お待ちしてました、今開けます。」
と答えると、ドアに向かう。ドアの前で、また1つ息を吐くと、意を決したように、扉を開いた。
「お疲れ様でした、大城くん。」
固い表情で出迎えた凪咲に
「う、うん・・・じゃ失礼します。」
キャリ-バッグを引き、明らかに外泊態勢の大城が、やはり緊張の面持ちで中に入って来た。
「駅から迷わなかった?ここ、ちょっとわかりにくい場所だから。」
「大丈夫。」
「取り敢えず、座って。今、お茶煎れるから。」
「いや、せっかくだけど、荷物を片しちゃいたいから、さっそく部屋に入らせてもらっていいかな?」
「どうぞどうぞ。一応掃除したつもりだけど、もし汚れてる所があったら言って。」
「大丈夫だよ、お気遣いなく。」
そんなことを言いながら、部屋に入った2人。
「思ったより広いね。」
「そう?」
「この部屋なら、快適に過ごせそうだ。」
「ならよかった。」
ここでようやく笑顔になった2人。
「じゃ、少し中で整理させてもらうからね。菱見さんはもし、用事があるなら、遠慮なく出掛けて。僕が留守番してるから。」
「ううん、なんの予定もないし。それより私も手伝おうか?」
「大丈夫。御覧の通り、大した荷物じゃないし。」
「そうだよね、そのキャリ-バッグ1つで足りるの?って、思っちゃった。」
「当面はね。足りなくなったら、前の部屋に取りに戻るし。あとそれに足りない備品とかは、あとで買い足させてもらうから。差し支えないよね?」
「もちろん。今日から、ここは大城くんの部屋なんだから。傷付けたりとかは困るけど、あとは自由に使って下さい。」
「ありがとう、じゃまた後でね。」
「うん。」
そう言って、凪咲は部屋を出た。
(いよいよ、だよね・・・。)
時計に目をやって、1つ息を吐いた凪咲は、次に立ち上がると、既に、何度目かと思いながら、家の中をチェックして回る。
(大丈夫、だよね・・・。)
心の中で、自らに確認した凪咲が、とりあえず椅子に腰を下ろすと、インタ-フォンの音が、部屋に鳴り響く。その音にハッとしたように席を立つと、モニタ-を確認する。そして、そこに映る待ち人の顔を確認すると
「お待ちしてました、今開けます。」
と答えると、ドアに向かう。ドアの前で、また1つ息を吐くと、意を決したように、扉を開いた。
「お疲れ様でした、大城くん。」
固い表情で出迎えた凪咲に
「う、うん・・・じゃ失礼します。」
キャリ-バッグを引き、明らかに外泊態勢の大城が、やはり緊張の面持ちで中に入って来た。
「駅から迷わなかった?ここ、ちょっとわかりにくい場所だから。」
「大丈夫。」
「取り敢えず、座って。今、お茶煎れるから。」
「いや、せっかくだけど、荷物を片しちゃいたいから、さっそく部屋に入らせてもらっていいかな?」
「どうぞどうぞ。一応掃除したつもりだけど、もし汚れてる所があったら言って。」
「大丈夫だよ、お気遣いなく。」
そんなことを言いながら、部屋に入った2人。
「思ったより広いね。」
「そう?」
「この部屋なら、快適に過ごせそうだ。」
「ならよかった。」
ここでようやく笑顔になった2人。
「じゃ、少し中で整理させてもらうからね。菱見さんはもし、用事があるなら、遠慮なく出掛けて。僕が留守番してるから。」
「ううん、なんの予定もないし。それより私も手伝おうか?」
「大丈夫。御覧の通り、大した荷物じゃないし。」
「そうだよね、そのキャリ-バッグ1つで足りるの?って、思っちゃった。」
「当面はね。足りなくなったら、前の部屋に取りに戻るし。あとそれに足りない備品とかは、あとで買い足させてもらうから。差し支えないよね?」
「もちろん。今日から、ここは大城くんの部屋なんだから。傷付けたりとかは困るけど、あとは自由に使って下さい。」
「ありがとう、じゃまた後でね。」
「うん。」
そう言って、凪咲は部屋を出た。