ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「1ヶ月か3ヵ月かはともかく、その間、僕は絶対に君に無理矢理、手を出すようなことはしない。それは今、お兄さんの前で誓うよ。だから、僕を信じて欲しい。」
そう言って、頭を下げる大城に
「大城くん・・・。」
凪咲は言葉を失った。
駅に着き、勉に見送られて、車を降り立ったふたりは、会話もなく、改札口を通り、列車に乗り込んだ。2人はボックスシートに向かい合って、座りながら、しかし言葉もなく、窓の外をお互い見つめていた。
ふと、前の大城に視線を向けた凪咲。彼女の視線に気付かぬように、黙然と灯りも乏しい景色を眺めている彼を、凪咲は改めて見つめた。
(さっき大城くんは『僕を信じてくれ』って言って、私に頭を下げてくれた。でも考えてみれば、彼が私に頭を下げる理由なんて何もない。あとは僕は知らないよ、勝手にしてくれ、そう言われても不思議はないし、むしろその方が自然だと思う。なのに・・・。)
少しずつ、心の高鳴りを感じ始める凪咲。そしてついに
「大城くん。」
そう呼び掛けていた。その声に、ハッと視線を自分に向けた大城に
「さっきの話なんだけど、本当に大城くんはいいの?」
凪咲は尋ねる。
「自分で言い出したことだからね。でも、菱見さんにしてみれば、冗談じゃないって話だよね。調子に乗っちゃった、ごめん・・・。」
「よろしくお願いします。」
「えっ?」
「私を助けて下さい、お願いします!」
そう言って、頭を下げた凪咲を、驚きの表情を隠せずに大城は見つめていたが
「菱見さんがいいんなら、僕は喜んで。」
そう答えて、笑顔を見せた。
それから2人はいろいろと話をした。まず住む場所については、凪咲の部屋に大城が引っ越して来ることになった。
凪咲は就職してから、大学時代の友人とまさしくシェアハウスをしていたのだが、ひと月ほど前、彼氏と同棲することになったと、突然友人が出て行ってしまい、部屋が空いていた。
更に大城の方も、たまたま転居を考えていたとのことで
「なんかタイミングよかったね。まるで、運命みたい。」
「そうかも。」
そう言って、2人は笑い合う。その後も同居のあたってのルールやその他の必要事項を1週間掛けて話し合った末、今日を迎えたのである。
そう言って、頭を下げる大城に
「大城くん・・・。」
凪咲は言葉を失った。
駅に着き、勉に見送られて、車を降り立ったふたりは、会話もなく、改札口を通り、列車に乗り込んだ。2人はボックスシートに向かい合って、座りながら、しかし言葉もなく、窓の外をお互い見つめていた。
ふと、前の大城に視線を向けた凪咲。彼女の視線に気付かぬように、黙然と灯りも乏しい景色を眺めている彼を、凪咲は改めて見つめた。
(さっき大城くんは『僕を信じてくれ』って言って、私に頭を下げてくれた。でも考えてみれば、彼が私に頭を下げる理由なんて何もない。あとは僕は知らないよ、勝手にしてくれ、そう言われても不思議はないし、むしろその方が自然だと思う。なのに・・・。)
少しずつ、心の高鳴りを感じ始める凪咲。そしてついに
「大城くん。」
そう呼び掛けていた。その声に、ハッと視線を自分に向けた大城に
「さっきの話なんだけど、本当に大城くんはいいの?」
凪咲は尋ねる。
「自分で言い出したことだからね。でも、菱見さんにしてみれば、冗談じゃないって話だよね。調子に乗っちゃった、ごめん・・・。」
「よろしくお願いします。」
「えっ?」
「私を助けて下さい、お願いします!」
そう言って、頭を下げた凪咲を、驚きの表情を隠せずに大城は見つめていたが
「菱見さんがいいんなら、僕は喜んで。」
そう答えて、笑顔を見せた。
それから2人はいろいろと話をした。まず住む場所については、凪咲の部屋に大城が引っ越して来ることになった。
凪咲は就職してから、大学時代の友人とまさしくシェアハウスをしていたのだが、ひと月ほど前、彼氏と同棲することになったと、突然友人が出て行ってしまい、部屋が空いていた。
更に大城の方も、たまたま転居を考えていたとのことで
「なんかタイミングよかったね。まるで、運命みたい。」
「そうかも。」
そう言って、2人は笑い合う。その後も同居のあたってのルールやその他の必要事項を1週間掛けて話し合った末、今日を迎えたのである。