ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
部屋に入ってから、小一時間もしない内に、大城はリビングに戻って来た。
「お疲れ様、終わったの?」
「とりあえずは。まぁ、あの量だし。」
と言って笑った大城に
「お茶入れるよ。」
凪咲は言う。
「いいの?」
「お互い不干渉がルールだけど、初日の挨拶くらい、いいでしょ?」
「そっか、じゃ喜んで。って言うか、僕もクッキー買って来たんだ。これからお世話になるから。」
「私の方こそ、突然1人にされて、途方に暮れてたところで、家賃分担してもらって助かってるんだから、気を遣ってくれなくてよかったのに。」
「いえいえ。親しき仲にも礼儀ありですから。」
と大城が言った次の瞬間、2人はハッとしたように顔を見合わせる。
(私たちって「親しき仲」なのかな・・・。)
そんな思いが、同時にこみ上げて来て、思わず恥ずかしくなった2人は
「お茶煎れてくる。」
「う、うん。」
お互い、視線を外しながら言い合っていた。
やがて、お茶とクッキーが食卓に置かれ、2人は改めて向かい合った。
「大城くん。」
「はい。」
「私のワガママというか、無茶なお願いに付き合ってもらったら、流れでこんなことになっちゃったけど、とりあえず、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。菱見さんの信頼を裏切らないよう、頑張ります。」
そう言ってから、少し笑顔を交わし合った2人だったが
「で、大城くんは今日はこれからどうするの?」
と尋ねた時には凪咲の表情も
「一度、前の部屋に戻るよ。当面必要なものは持って来たけど、もう向こうは解約しちゃったし、いつまでも荷物置いておけないから、片付けしないと。」
答えた大城の表情も既に真顔に戻っていた。
「残りの荷物はどうするの?」
「さすがにもう少し、こっちに持って来るけど、ここでお世話になるのはせいぜい数か月だから、全部は必要ないし、残りはとりあえず実家に一旦送るよ。」
「だとしたらさ、私も大城くんのご両親にご挨拶に行った方がいいよね?」
「えっ?」
「だって、急に荷物を送るってなったら、当然ご両親から理由を聞かれるでしょ?いくら見せかけとは言え、私と同棲することになったからって説明すれば、驚かれるだろうし・・・。」
凪咲の心配はもっともなことだった。
「お疲れ様、終わったの?」
「とりあえずは。まぁ、あの量だし。」
と言って笑った大城に
「お茶入れるよ。」
凪咲は言う。
「いいの?」
「お互い不干渉がルールだけど、初日の挨拶くらい、いいでしょ?」
「そっか、じゃ喜んで。って言うか、僕もクッキー買って来たんだ。これからお世話になるから。」
「私の方こそ、突然1人にされて、途方に暮れてたところで、家賃分担してもらって助かってるんだから、気を遣ってくれなくてよかったのに。」
「いえいえ。親しき仲にも礼儀ありですから。」
と大城が言った次の瞬間、2人はハッとしたように顔を見合わせる。
(私たちって「親しき仲」なのかな・・・。)
そんな思いが、同時にこみ上げて来て、思わず恥ずかしくなった2人は
「お茶煎れてくる。」
「う、うん。」
お互い、視線を外しながら言い合っていた。
やがて、お茶とクッキーが食卓に置かれ、2人は改めて向かい合った。
「大城くん。」
「はい。」
「私のワガママというか、無茶なお願いに付き合ってもらったら、流れでこんなことになっちゃったけど、とりあえず、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。菱見さんの信頼を裏切らないよう、頑張ります。」
そう言ってから、少し笑顔を交わし合った2人だったが
「で、大城くんは今日はこれからどうするの?」
と尋ねた時には凪咲の表情も
「一度、前の部屋に戻るよ。当面必要なものは持って来たけど、もう向こうは解約しちゃったし、いつまでも荷物置いておけないから、片付けしないと。」
答えた大城の表情も既に真顔に戻っていた。
「残りの荷物はどうするの?」
「さすがにもう少し、こっちに持って来るけど、ここでお世話になるのはせいぜい数か月だから、全部は必要ないし、残りはとりあえず実家に一旦送るよ。」
「だとしたらさ、私も大城くんのご両親にご挨拶に行った方がいいよね?」
「えっ?」
「だって、急に荷物を送るってなったら、当然ご両親から理由を聞かれるでしょ?いくら見せかけとは言え、私と同棲することになったからって説明すれば、驚かれるだろうし・・・。」
凪咲の心配はもっともなことだった。