ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「そうだよね。わかってるんだけど、朝が弱くって・・・。」
バツ悪そうに答えた凪咲に、ハッとした大城は
「あっ、ごめん。お互いの生活には不干渉って約束だったのに、余計なこと言っちゃって・・・。それに考えてみたら、付き合ってもいない男に、すっぴん見られるのって、女性としては抵抗あるよね。僕、そんな気も回らなくて、本当にごめん。」
神妙な表情になって、頭を下げるが
「ううん。確かにすっぴん見られるの恥ずかしいけど、それは私がちゃんと早起きすれば済む話だし、今の話だって、大城くんが私のことを心配してくれてのことだって、わかってるから。」
凪咲は慌てて首を振る。
「そう言ってくれると、ありがたいけど、でもこれからは出しゃばったことはしないようにするから。」
「大城くん・・・。」
「取り敢えず、今朝は作っちゃったからさ。よかったら食べてよ。」
「もちろん、いただくよ。ありがとうね。」
「ああ。」
「じゃ、いただきます。」
と言って、テーブルに手を合わせた凪咲が、まずはサラダをひと口。そしてスープを飲むと
「おいしい。」
大城に言う。
「なら、よかった。」
笑顔を返した大城だったが、その笑顔はすぐに消え、その後は特に会話もなく
「ご馳走様でした。じゃ、僕は着換えて、先に出るね。食器は片付けておいてくれれば、帰って来てから洗うから。」
やがて、朝食を済ませた大城は、凪咲にそう言うと、一旦自室に戻ると
「お先に、行って来ます。」
食事を終えて、食器を片付けている凪咲の後ろ姿に告げると、出て行った。
(大城くん・・・。)
パタンとドアが閉まる音に、振り向いた凪咲は、なんとも言えない表情を浮かべた。偽装同棲を会社の同僚に知られて、いいことなど1つもない。だから、同伴出勤は絶対にしないようにしようというのは、一緒に生活する上での約束事の中でも、最初の頃に取り決めたこと。だから、彼が凪咲を置いて、さっさと出て行くのは当たり前のルール。
しかし、今の凪咲は、そそくさと家を後にした大城に、申し訳ない気持ちを抱いてしまった。
(せっかく、大城くんが気を遣って、いろいろしてくれたのに・・・私、戸惑った顔になっちゃったよね・・・。)
そんな気持ちになり、少し落ち込んでしまったが、彼女もグズグズしている暇はない。慌てて、彼の後を追うべく、動き出した。
バツ悪そうに答えた凪咲に、ハッとした大城は
「あっ、ごめん。お互いの生活には不干渉って約束だったのに、余計なこと言っちゃって・・・。それに考えてみたら、付き合ってもいない男に、すっぴん見られるのって、女性としては抵抗あるよね。僕、そんな気も回らなくて、本当にごめん。」
神妙な表情になって、頭を下げるが
「ううん。確かにすっぴん見られるの恥ずかしいけど、それは私がちゃんと早起きすれば済む話だし、今の話だって、大城くんが私のことを心配してくれてのことだって、わかってるから。」
凪咲は慌てて首を振る。
「そう言ってくれると、ありがたいけど、でもこれからは出しゃばったことはしないようにするから。」
「大城くん・・・。」
「取り敢えず、今朝は作っちゃったからさ。よかったら食べてよ。」
「もちろん、いただくよ。ありがとうね。」
「ああ。」
「じゃ、いただきます。」
と言って、テーブルに手を合わせた凪咲が、まずはサラダをひと口。そしてスープを飲むと
「おいしい。」
大城に言う。
「なら、よかった。」
笑顔を返した大城だったが、その笑顔はすぐに消え、その後は特に会話もなく
「ご馳走様でした。じゃ、僕は着換えて、先に出るね。食器は片付けておいてくれれば、帰って来てから洗うから。」
やがて、朝食を済ませた大城は、凪咲にそう言うと、一旦自室に戻ると
「お先に、行って来ます。」
食事を終えて、食器を片付けている凪咲の後ろ姿に告げると、出て行った。
(大城くん・・・。)
パタンとドアが閉まる音に、振り向いた凪咲は、なんとも言えない表情を浮かべた。偽装同棲を会社の同僚に知られて、いいことなど1つもない。だから、同伴出勤は絶対にしないようにしようというのは、一緒に生活する上での約束事の中でも、最初の頃に取り決めたこと。だから、彼が凪咲を置いて、さっさと出て行くのは当たり前のルール。
しかし、今の凪咲は、そそくさと家を後にした大城に、申し訳ない気持ちを抱いてしまった。
(せっかく、大城くんが気を遣って、いろいろしてくれたのに・・・私、戸惑った顔になっちゃったよね・・・。)
そんな気持ちになり、少し落ち込んでしまったが、彼女もグズグズしている暇はない。慌てて、彼の後を追うべく、動き出した。