ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
週が明けて、2人の関係は相変わらずだった。別々に家を出て、帰りは凪咲の方が早いことも、大城の方が早いこともあったが、必要以上の接触がなく、お互い、ほとんどの時間を自室で過ごすのも相変わらず。食事は大城は何回か自炊をしていたが、凪咲の方は全くその様子がなかった。
そして、また週末が来た。目覚ましを掛けて、朝8時に目覚めた凪咲が、部屋着に着替え、リビングに出てみると、既に大城が慌ただしく動き回っていた。
「おはよう。」
凪咲が声を掛けると
「おはよう。早いね、菱見さん。」
一瞬、驚いたような表情を浮かべた大城だが、すぐに笑顔で朝の挨拶を返して来る。
「大城くんこそ。週末はいつもこんな早いの?」
「いやぁ、寝坊したいのはヤマヤマなんだけど、なんか習性で早く目が覚めちゃってさ。」
苦笑いを浮かべながら答えた大城は
「休日なのに、朝からバタバタしてごめんな。あ、あと今日も午後から出掛けるから。」
と凪咲に告げる。
「まだ片付け?」
「いや、前の部屋はもう不動産屋に引き渡したからね。大学時代の友だちと会うんだ。」
「また、夜遅いの?」
「うん、久しぶりだから、オールで騒ごうとか言われちゃって・・・だからまた今夜も帰らないと思うから、よろしくね。」
「そっか・・・わかった。」
頷いたあと、一旦リビングを離れて、洗面所に向かった凪咲だったが、少しして戻って来ると
「大城くん。」
と呼び掛けていた。
「うん?」
足を止めて、振り向いた大城に
「私は普段、大城くんがどんな休日を過ごしているのかは知らないけど、でも今、毎週末、家を空けてるのは、私に気を遣ってくれてるからだよね?」
真っすぐに彼を見ながら、凪咲は言った。
「えっ?」
驚いたような表情を浮かべた大城に
「せっかくの休日に、異性の自分が同じ屋根の下にいたら、私が家で寛げない、そう思ってくれてるんだよね?」
と続けた凪咲の顔を見て
「いや、それは・・・。」
大城は言葉を濁したが
「優しいね、大城くんは。でも優し過ぎるよ。君が、そこまで私に気を遣う必要なんか、どこにもない。1週間分の仕事の疲れを、家でグダグダしながら癒やしたいのは、大城くんだって同じはずだよね。」
そう言って、凪咲は大城の顔を見た。
そして、また週末が来た。目覚ましを掛けて、朝8時に目覚めた凪咲が、部屋着に着替え、リビングに出てみると、既に大城が慌ただしく動き回っていた。
「おはよう。」
凪咲が声を掛けると
「おはよう。早いね、菱見さん。」
一瞬、驚いたような表情を浮かべた大城だが、すぐに笑顔で朝の挨拶を返して来る。
「大城くんこそ。週末はいつもこんな早いの?」
「いやぁ、寝坊したいのはヤマヤマなんだけど、なんか習性で早く目が覚めちゃってさ。」
苦笑いを浮かべながら答えた大城は
「休日なのに、朝からバタバタしてごめんな。あ、あと今日も午後から出掛けるから。」
と凪咲に告げる。
「まだ片付け?」
「いや、前の部屋はもう不動産屋に引き渡したからね。大学時代の友だちと会うんだ。」
「また、夜遅いの?」
「うん、久しぶりだから、オールで騒ごうとか言われちゃって・・・だからまた今夜も帰らないと思うから、よろしくね。」
「そっか・・・わかった。」
頷いたあと、一旦リビングを離れて、洗面所に向かった凪咲だったが、少しして戻って来ると
「大城くん。」
と呼び掛けていた。
「うん?」
足を止めて、振り向いた大城に
「私は普段、大城くんがどんな休日を過ごしているのかは知らないけど、でも今、毎週末、家を空けてるのは、私に気を遣ってくれてるからだよね?」
真っすぐに彼を見ながら、凪咲は言った。
「えっ?」
驚いたような表情を浮かべた大城に
「せっかくの休日に、異性の自分が同じ屋根の下にいたら、私が家で寛げない、そう思ってくれてるんだよね?」
と続けた凪咲の顔を見て
「いや、それは・・・。」
大城は言葉を濁したが
「優しいね、大城くんは。でも優し過ぎるよ。君が、そこまで私に気を遣う必要なんか、どこにもない。1週間分の仕事の疲れを、家でグダグダしながら癒やしたいのは、大城くんだって同じはずだよね。」
そう言って、凪咲は大城の顔を見た。