ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
⑬
凪咲は、裕を近くの公園に誘った。既に尋ねて来た人物が「大城裕」であることを疑ってはいなかったが、でもいきなり彼を部屋に上げることには、やはり躊躇いを覚えたのだ。
「いい所だな?」
「えっ?」
「なんか、前に一緒に住んでた所に似てる気がする。」
「そう、ですか?」
「ああ、この公園もなんか、妙に懐かしさを覚える。凪咲といるからかな・・・?」
「それで、お話ってなんですか?」
感慨深げな裕を遮るように、凪咲は言う。その声に、改めて、凪咲と向かい合った裕は
「怒ってるよな?」
と尋ねるように言った。
「えっ?」
「急に姿を消して、連絡も絶ったこと。」
そう言って、自分を見つめる裕に
「別に。最後に一言くらいあってもいいでしょ、とは確かに思いましたけど、もともと期間限定の偽装同居、そういう約束だったんですから。」
答えた凪咲の表情は、固かった。
「表情と言ってる内容が、全然マッチしてないんだよな・・・。」
思わず、裕はそんなことを口にしてしまうが
「そんなことありませんよ。私はあなたには感謝しかありません。お蔭様で、意に沿わない結婚を強制されることなく、こうして暮らせてますから。」
凪咲は、相変わらず。
「じゃ、なんで、そんなよそよそしい態度と言葉遣いなんだよ?」
「もともと、私たちの関係は、前の会社で同期だったってだけです。それに、あなたがAOYAMAの御曹司さんとわかれば、今の私の立場としては、そんな馴れ馴れしく出来ませんよ。」
「凪咲もやっぱりそうなのか?」
「えっ?」
「お前も俺がAOYAMAの息子だとわかると、態度を変えるのかよ?」
急に怒りを露にした裕に、一瞬驚いたような表情を浮かべた凪咲だったが、すぐに
「将来、AOYAMAのトップになられる方と、その企業にお世話になっている一派遣社員の私。身分の差は明らかじゃないですか。むしろ、当然のことだと思いますけど」
落ち着いた口調で、そう返したあと
「それに・・・正直言って、今のあなたは私の知っている、私と半年間、1つ屋根の下で暮らした大城裕くんとは違う人に見えてしまうので。」
と付け加えると、今度は裕の方が表情を歪める番だった。
「いい所だな?」
「えっ?」
「なんか、前に一緒に住んでた所に似てる気がする。」
「そう、ですか?」
「ああ、この公園もなんか、妙に懐かしさを覚える。凪咲といるからかな・・・?」
「それで、お話ってなんですか?」
感慨深げな裕を遮るように、凪咲は言う。その声に、改めて、凪咲と向かい合った裕は
「怒ってるよな?」
と尋ねるように言った。
「えっ?」
「急に姿を消して、連絡も絶ったこと。」
そう言って、自分を見つめる裕に
「別に。最後に一言くらいあってもいいでしょ、とは確かに思いましたけど、もともと期間限定の偽装同居、そういう約束だったんですから。」
答えた凪咲の表情は、固かった。
「表情と言ってる内容が、全然マッチしてないんだよな・・・。」
思わず、裕はそんなことを口にしてしまうが
「そんなことありませんよ。私はあなたには感謝しかありません。お蔭様で、意に沿わない結婚を強制されることなく、こうして暮らせてますから。」
凪咲は、相変わらず。
「じゃ、なんで、そんなよそよそしい態度と言葉遣いなんだよ?」
「もともと、私たちの関係は、前の会社で同期だったってだけです。それに、あなたがAOYAMAの御曹司さんとわかれば、今の私の立場としては、そんな馴れ馴れしく出来ませんよ。」
「凪咲もやっぱりそうなのか?」
「えっ?」
「お前も俺がAOYAMAの息子だとわかると、態度を変えるのかよ?」
急に怒りを露にした裕に、一瞬驚いたような表情を浮かべた凪咲だったが、すぐに
「将来、AOYAMAのトップになられる方と、その企業にお世話になっている一派遣社員の私。身分の差は明らかじゃないですか。むしろ、当然のことだと思いますけど」
落ち着いた口調で、そう返したあと
「それに・・・正直言って、今のあなたは私の知っている、私と半年間、1つ屋根の下で暮らした大城裕くんとは違う人に見えてしまうので。」
と付け加えると、今度は裕の方が表情を歪める番だった。