ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
「目撃した社員たちの口から、少しずつ今朝の出来事が広まって、今頃は昼休みの格好の話題になってますよ。澄ました顔をしてますけど、貴恵さんだって、内心はいろいろ聞きたくて、うずうずしてるはずなんですから。」
「まぁ、そうだろうね・・・。」
自意識過剰なだけかもしれないが、昼食や外周りに出掛けようとエントランスを通る社員たちから、いつもとは違う視線を浴びてるような気もするし、千晶が言うような状況が容易に想像出来て、凪咲は思わずため息が出てしまう。
「そんな、みなさんが想像するような話じゃないんだよ。新城さんとは、前の会社で同期だったんだ。勤務している建物が違っていたから、そんなに頻繁に顔を合わせてたわけじゃないんだけど、同期の呑み会とかでは、お話をしたりして・・・まぁ普通に仲が良かったのは間違いないよ。」
その説明は、当時の2人の関係を的確に言い表してはいた。ただし、最後の半年間を除くと言う注釈は付くが・・・。果たして
「えっ、でもジュニアが帰って来た日に、いきなりデートしたんですよね?」
千晶は当然、その説明では納得しない。
「デートじゃないよ。昨夜、彼がいきなり、私の家を訪ねて来たんだよ。」
「じゃ、ずっと連絡とってたってことですよね?そして凪咲さんの家を知ってるくらいに親しかったってことに・・・。」
「ううん、彼が会社辞めてからは、全然音信不通だったよ。だから、私もびっくりしたよ。」
「それはおかしくありませんか?で、どんな話をしたんです?」
「AOYAMAに私がいるのを知って、思わず懐かしくなって訪ねて来たって言ってたけど・・・。」
「そんな理由だけで、いきなり家まで訪ねて来ます?」
我ながら、苦しい説明だとは思う。が、「かつて同棲していた元恋人同士」とでも説明できれば、いっそ簡単かもしれないが、「事情があって半年間、一つ屋根の下に住んでいたけど、私たちの間には何もなかった」などと言っても、恐らく誰も信用してはくれないだろうし、余計な憶測を呼んで、騒ぎがいたずらに大きくなりかねないと思うから、凪咲は必死だ。
「当時、彼は『大城』って名乗ってたから、彼がAOYAMAさんの御曹司だったなんて、本当に昨日初めて知ったんだよ。とにかく私と新城さんは昔の同期、友人。それ以上でも以下でもないの。」
そんな凪咲の言葉を聞いても、千晶は全く釈然としないという顔をしていたが、来訪者が現れた為、話はここで打ち切りになった。
「まぁ、そうだろうね・・・。」
自意識過剰なだけかもしれないが、昼食や外周りに出掛けようとエントランスを通る社員たちから、いつもとは違う視線を浴びてるような気もするし、千晶が言うような状況が容易に想像出来て、凪咲は思わずため息が出てしまう。
「そんな、みなさんが想像するような話じゃないんだよ。新城さんとは、前の会社で同期だったんだ。勤務している建物が違っていたから、そんなに頻繁に顔を合わせてたわけじゃないんだけど、同期の呑み会とかでは、お話をしたりして・・・まぁ普通に仲が良かったのは間違いないよ。」
その説明は、当時の2人の関係を的確に言い表してはいた。ただし、最後の半年間を除くと言う注釈は付くが・・・。果たして
「えっ、でもジュニアが帰って来た日に、いきなりデートしたんですよね?」
千晶は当然、その説明では納得しない。
「デートじゃないよ。昨夜、彼がいきなり、私の家を訪ねて来たんだよ。」
「じゃ、ずっと連絡とってたってことですよね?そして凪咲さんの家を知ってるくらいに親しかったってことに・・・。」
「ううん、彼が会社辞めてからは、全然音信不通だったよ。だから、私もびっくりしたよ。」
「それはおかしくありませんか?で、どんな話をしたんです?」
「AOYAMAに私がいるのを知って、思わず懐かしくなって訪ねて来たって言ってたけど・・・。」
「そんな理由だけで、いきなり家まで訪ねて来ます?」
我ながら、苦しい説明だとは思う。が、「かつて同棲していた元恋人同士」とでも説明できれば、いっそ簡単かもしれないが、「事情があって半年間、一つ屋根の下に住んでいたけど、私たちの間には何もなかった」などと言っても、恐らく誰も信用してはくれないだろうし、余計な憶測を呼んで、騒ぎがいたずらに大きくなりかねないと思うから、凪咲は必死だ。
「当時、彼は『大城』って名乗ってたから、彼がAOYAMAさんの御曹司だったなんて、本当に昨日初めて知ったんだよ。とにかく私と新城さんは昔の同期、友人。それ以上でも以下でもないの。」
そんな凪咲の言葉を聞いても、千晶は全く釈然としないという顔をしていたが、来訪者が現れた為、話はここで打ち切りになった。