ウソから出たマコト~ニセモノの愛から生まれたホンモノの恋~
だが、そんなやり取りを意に介さず
「そうか、じゃ俺とタメってことだぁ。よろしくな。」
裕は笑顔で早川に握手を求め
「はい、光栄であります!」
感激の面持ちを隠すことなく、その手を握り返した早川を見て、凪咲は貴恵と思わず顔を見合わせてしまった。
「そうだ、ここで知り合ったのも何かの縁だ。君に頼まれてもらおうかな?」
「は、何なりとお申し付け下さい!」
「じゃ、悪いけど、定時過ぎたら、俺の所へ顔出してくれない?」
「かしこまりました!それでは後ほど。失礼いたします。」
そう言って、深々と頭を下げ、立ち去る早川の後ろ姿を見て
「なんか、面白そうな奴だな。」
「そうですね。」
愉快そうな裕の言葉に、笑顔で頷いた千晶に対して、凪咲と貴恵は呆れ顔。そんな2人の様子も知らぬげに
「そう言えば桜内さん。同期会とかやらないんですか?もし近々、予定があるなら、僕も同い年のよしみで呼んで下さいよ。」
裕が言い出すが
「やってるメンバ-もいるみたいですが、私は興味がないので、よくわかりません。」
貴恵はあくまで塩対応。
「そうですか・・・じゃ、その件も後で彼に聞いてみよう。」
独り言ちる裕に
「新城さん、失礼ですが、何かブ-スにご用ですか?なければ、私たち、まだ仕事があるので。」
苛立った表情を隠すことなく、貴恵が言う。
(うわぁ、さすが桜内さん。御曹司にも遠慮ない・・・。)
凪咲は内心、感心半分、心配半分で、この様子を見る。
「いや、早川くんとおしゃべりしたり、僕のことを凪咲から聞き出そうとしたりしてたから、結構余裕がおありなのかと思って・・・失礼しました。」
そう言って、ニヤリと笑った裕は、そのままブースを離れて行く。
「なんなのよ、あの男。本当に腹立つんだけど。」
その後ろ姿を睨み付けながら、吐き捨てるような口調で言う貴恵に
「落ち着きましょう、桜内さん。私たちは受付嬢です、ここでそんな顔や物言いをしちゃいけません。」
慌てて、宥めるように凪咲は言う。
「ごめん、私としたことが・・・。」
冷静さを取り戻した貴恵が、少し俯きながら言う。自分の失態が恥ずかしかったのだろう。
「いえ。それより、続きをやってしまいましょう。」
「そうだね。」
「私、会議室の方に行って来ます。」
そう言って、ブースを離れた凪咲は、エレベ-タ-に向かいながら
(裕・・・あなたは何を考えてるの?何がしたいの?私、あなたがわからない・・・。)
そんな思いに駆られ、悲しかった。
「そうか、じゃ俺とタメってことだぁ。よろしくな。」
裕は笑顔で早川に握手を求め
「はい、光栄であります!」
感激の面持ちを隠すことなく、その手を握り返した早川を見て、凪咲は貴恵と思わず顔を見合わせてしまった。
「そうだ、ここで知り合ったのも何かの縁だ。君に頼まれてもらおうかな?」
「は、何なりとお申し付け下さい!」
「じゃ、悪いけど、定時過ぎたら、俺の所へ顔出してくれない?」
「かしこまりました!それでは後ほど。失礼いたします。」
そう言って、深々と頭を下げ、立ち去る早川の後ろ姿を見て
「なんか、面白そうな奴だな。」
「そうですね。」
愉快そうな裕の言葉に、笑顔で頷いた千晶に対して、凪咲と貴恵は呆れ顔。そんな2人の様子も知らぬげに
「そう言えば桜内さん。同期会とかやらないんですか?もし近々、予定があるなら、僕も同い年のよしみで呼んで下さいよ。」
裕が言い出すが
「やってるメンバ-もいるみたいですが、私は興味がないので、よくわかりません。」
貴恵はあくまで塩対応。
「そうですか・・・じゃ、その件も後で彼に聞いてみよう。」
独り言ちる裕に
「新城さん、失礼ですが、何かブ-スにご用ですか?なければ、私たち、まだ仕事があるので。」
苛立った表情を隠すことなく、貴恵が言う。
(うわぁ、さすが桜内さん。御曹司にも遠慮ない・・・。)
凪咲は内心、感心半分、心配半分で、この様子を見る。
「いや、早川くんとおしゃべりしたり、僕のことを凪咲から聞き出そうとしたりしてたから、結構余裕がおありなのかと思って・・・失礼しました。」
そう言って、ニヤリと笑った裕は、そのままブースを離れて行く。
「なんなのよ、あの男。本当に腹立つんだけど。」
その後ろ姿を睨み付けながら、吐き捨てるような口調で言う貴恵に
「落ち着きましょう、桜内さん。私たちは受付嬢です、ここでそんな顔や物言いをしちゃいけません。」
慌てて、宥めるように凪咲は言う。
「ごめん、私としたことが・・・。」
冷静さを取り戻した貴恵が、少し俯きながら言う。自分の失態が恥ずかしかったのだろう。
「いえ。それより、続きをやってしまいましょう。」
「そうだね。」
「私、会議室の方に行って来ます。」
そう言って、ブースを離れた凪咲は、エレベ-タ-に向かいながら
(裕・・・あなたは何を考えてるの?何がしたいの?私、あなたがわからない・・・。)
そんな思いに駆られ、悲しかった。